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松戸で働く人:駅前の老舗不動産「株式会社有田商店」 後編
松戸で事業をされている方、松戸で働いてる方にインタビューをすることで、松戸の魅力や課題を共有できたら、まちづくりのきっかけになるのではないでしょうか。
そんな趣旨で、老舗の不動産として90年以上松戸で事業をされている株式会社有田商店の有田一滋社長にお話を伺いました。今回はその後編になります。(前編の記事はコチラ)
松戸の治安は統計データとイメージにギャップがある
―率直に言って松戸はイメージがあまりぱっとしないですよね。
有田社長(以下敬称略):都内近郊の衛星都市が全国ニュースになるときは、何か事件が起きたときが大半ですからね。松戸に限らず、そういう傾向はあると思います。あと、90年代に流行ったヤンキー文化の影響もありますね。
あの当時は、ボンタンとか刺繍入ったガクランを着ている学生とか普通にいましたからね。
―さすがに、今の松戸にもそういったヤンキー文化の名残はありませんね。
参考までに、松戸の犯罪認知件数(警察で認知した刑法にかかる犯罪発生件数)は、顕著に減少傾向にあります。人口の条件を同じにした犯罪認知率で比較したところ、平成27年の松戸の犯罪認知率は0.99%でした。(参考情報:千葉県警の犯罪統計)
これは東京の北区とほぼ同じ数値になり、東京23区の中でも良いほう(23区の中央値が1.05%、平均値が1.19%)になります。
意外に知られていない千代田線の利便性
有田:松戸のイメージ戦略という話でいくと、流山市に「母になるなら流山市」というキャッチコピーでベッドタウンとしてのまちづくりを展開されたのがショックでしたね。
ただ、流山を通るつくばエクスプレスは秋葉原どまりで、松戸を通る千代田線はすごく利便性の高い電車なのに、あまり認知されていないんですよね。
―たしかに、千代田線って、大手町、赤坂、表参道、明治神宮と若者に人気のある駅を通りますよね。
有田:さらに国会議事堂も通りますからね。そういう意味で、千代田線って地下鉄のなかでも最強だと思うんですが、意外にその利便性を知られていないんですよね。JR常磐線の利便性が高いのはもちろんですが、千代田線の利便性にも注目が集まっていいのかなと思っています。
―千代田線は、JR常磐線が綾瀬駅で千代田線に乗り入れているってことが意外と知られていない気がします。
松戸にキラーコンテンツがないのはなぜか
―最後に、松戸にはキラーコンテンツがないという問題について質問をさせてください。
有田:人によってキラーコンテンツと呼べるものが異なるから難しい問題ですよね。
百貨店がキラーコンテンツだって感じる人もいれば、松戸にコールマンがあったときは、多くの人がキャンプ用品を買いにきていて、それもキラーコンテンツだったのかもしれませんね。
―かつて松戸には、等身大ガンダムがあったんですよね。なぜ残しておけなかったんでしょうか。
有田:松戸市や市民がバンダイミュージアムをバックアップできなかったことが原因でしょうね。
個人的にも、当時支援できなかったことを残念に感じています。
松戸駅周辺のまちづくりは足並みを揃えるところから
―おそらく、松戸駅周辺のまちづくりついて足並みがそろっていないことが原因なんじゃないかなと思ってます。
有田:揃ってないですね。それは、いまでも課題の1つですね。松戸が古い都市だからこそ、いろんな団体があってそれぞれにキーマンがいて影響力をもっているので、足並みをそろえることは容易じゃないですね。
そういう古い都市ならではの難しさがあるので、自分自身も松戸駅周辺活性化推進協議会を通じて活動しています。
松戸市の街づくり部や商工振興課とも協議をしていて、まずは松戸市全体ではなく、松戸駅周辺のにぎわいを増やすことから取り組みを始めています。
―インタビューは以上になります。貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
いかがだったでしょうか。個人的には、松戸駅前のまちづくりについて真摯に向き合う有田社長の考えや人柄に触れることができて、これからの松戸のまちづくりに期待を持つことができました。
今後も、松戸で事業をされている方を対象に、松戸で働くことについてお話を聞けたらいいなと考えています。
(2016/08/24)
提供元:「松戸NOTE」
著者プロフィール
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higashikubo
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2014年3月から松戸に住み始めて、2015年11月に松戸の情報サイト「松戸NOTE」を、プライベートでスタートしています。
普段は、インターネット業界でマーケティングや分析の仕事をしています。
松戸に住んでる人たちが、ちょっと自慢したくなるようなお店やイベントを見つけては取材して記事にしていく予定です。
http://matsudonote.com
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