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秋葉神社例大祭2015

お祭りを通じて考える「新旧住民をつなぐ」まちづくり

秋葉神社例大祭

松戸駅西口を出て徒歩5分のところにある松戸神社は創建寛永三年(1626年)の由緒ある神社です。今回、この松戸神社に合祀されている秋葉神社の祭礼が行われました。2日間に渡って街中でお神輿を担ぎ回ります。この日の第一部は13時半から16時頃まで子供山車(だし)が、第二部では17時から20時頃まで大神輿(おおみこし)が一般車両が通る道路の中を練り歩きました。

子供山車の巡行図。街中を練り歩きます。各地の休憩ポイントでは軽食と飲み物が用意されています。

子供山車の巡行図。街中を練り歩きます。各地の休憩ポイントでは軽食と飲み物が用意されています。

どこの地域でも同じかもしれませんが、子供が参加するお祭りって、同時に親も一緒に参加することがほとんどです。これはお祭りに限らず、子供が参加するイベント(お祭り・運動会・発表会など)には、親は積極的に顔を出すものです。そもそもお祭りとは感謝や祈り、慰霊のために神仏や祖先をまつる行為や儀式なわけですが、時代の変化に伴いお祭りの意義も移り変わってきています。現代におけるお祭りの意義とは、まちづくり的に言えば地域で古くから伝わる歴史や文化を学び、新旧住民とがつながることにあるのかもしれません。お祭りの意義をこのように定義すると、子供山車の巡行からまちづくり的課題が見えてきます。

子供山車の巡行から見る、まちづくり的な課題

それは子供山車を引っ張っていた子供たちの親、つまり新住民の多くがお祭りの運営に参加していないことです。サラリーマン世帯の場合、たまの休みである土日を充てなければ町会や自治会の活動に参加できないため、継続して地域活動に参加することは困難です。子供の晴れ舞台は享受するけれどイベントの運営自体には関わらないという新住民の存在は、住民同士のコミュニティというより、店に対するお客の立場のように感じられる側面もあります。

子供山車。

子供山車(こどもだし)。

松戸駅前のバスロータリーの中も練り歩きます。

松戸駅前のバスロータリーの中も練り歩きます。

一方でお祭りの運営を主導している地元に長く住み続けている人たち、すなわち旧住民は、神輿の担ぎ手や交通誘導の人出、さらには日常的な地域活動を担う人手不足が課題です。しかし誰もがそう思っていても、新住民が気軽に参加できる町会や自治会を創ることは困難です。新しい仲間や担い手を渇望する旧住民と、お祭りには子どもを参加させたい新住民が、すぐ近くに居るのに交わりきらない悩ましさがそこにあります。つまり、新旧住民とが緩やかに断絶していること、これはどこのエリアの地域コミュニティでも抱えている課題です。

大神輿は独特のリズムに乗ってゆっくり進みます。

大神輿は独特のリズムに乗ってゆっくり進みます。

色々な半纏の方々が参加しています。

各地から神輿会がたくさんいらっしゃっており、色々な半纏の方々が参加しています。各地同士のコミュニケーションの意味もありつつ、担ぎ手不足の側面も否定できません。

新旧住民間の緩やかな断絶と、その接点としてのまちづくり会社

子供山車は多くの親子が車道を練り歩きますし、大神輿は本格的な担ぎ手の方々が迫力たっぷりに重い神輿を担ぎ上げます。そういった取り組みが車道で行われるに際して、しっかりと交通誘導することが欠かせません。一般車両の交通を出来る限り妨げないようにしつつ、神輿の担ぎ手たちの安全も守りながら動くのは結構神経を使います。このような交通誘導は警察官がやってくれるんでしょ、と思われるかもしれませんが、松戸駅前ではお祭りの運営側が自ら行っていて、MAD Cityのメンバーはこうした交通誘導を行う主力になっています。

MAD City班。お揃いの半纏や股引、地下足袋を身に着け、いざ出陣。

MAD Cityのメンバー。住民、社員からインターン、元社員まで混じっています。お揃いの半纏や股引、地下足袋を身に着けて参加します。

地域コミュニティにとってこうした交通誘導を担う、まちづくり団体がいることは多少なりとも下支えになるでしょう。そしてそういった団体が、事前から新住民との関係性を持っておくことで新旧住民をつなぐことができれば、「緩やかな断絶」の解決に資するのかもしれません。実際に今回のお祭りでも、MAD Cityの物件に住まう新住民がMAD Cityのスタッフとともに交通誘導にも、もちろん大神輿の担ぎ手としても参加しました。地域コミュニティに新住民であるMAD Cityが先に入り込み、必要とされている機能を担うことで、さらに新しい新住民が地域コミュニティのイベントに参加しやすくなることが、まちづくり的には重要な点です。

普通にバスの通行もあり、MAD City班は後半は交通誘導に集中しました。

普通にバスの通行もあり、MAD Cityのメンバーも交通誘導で奮闘しました。

公共空間の利活用のお手本としての祭礼、そして新旧住民のつながり

神輿を担いで街中を練り歩くお祭りは道路や商店街を一時的にハックし、公共空間の利活用の可能性を広げている代表的な事例と捉えることが出来ます。道路使用許可の手続きや交通誘導、参加者の安全や衛生、治安の確保など、お祭りには公共空間の利活用のノウハウが詰まっています。しかしお祭りだからと、急に新旧住民が交わることは簡単ではありません。そうだとすれば日常生活のうちから、新旧住民が交わる理由が生まれていることが望ましいでしょう。

MAD Cityでは道路で宴会マンションの屋上でビアガーデンなど公共/準公共的な空間での活動を積極的に推し進めています。そういった取り組みを通じて、新住民が生活を楽しむにあたって地元住民の支えを感じられる環境や、旧住民のコミュニティに新住民が関わっていく環境が生み出せたらと考えています。直近では河川敷での活動についてクラウドファンドでも募集を行っています。

みんなで江戸川河川敷BBQをしましょう!

MAD Cityが取り組む暮らしのサポート

千葉県松戸駅前のMAD Cityエリア内では、改装可能な賃貸物件・売買物件など個性的なお部屋をご案内するにあたり、本コラムのような取り組みによる新旧住民の繋がりづくりのほか、さまざまな住民向けのサポートを行っています。ぜひご覧になってください。

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著者プロフィール

funahashi taku

funahashi taku

空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/

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