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【随時更新】地方でこそ生まれる先進事例!今アツい空き家活用・再生による、まちづくりプロジェクトまとめ
地方発!空き家活用・再生による、まちづくりプロジェクト
全国の空き家数は約820万戸、空き家率は13.5%です。人口減少や高齢化、さらには新築中心の住宅政策などを背景に、今後も空き家は増加していくことが予測されています。そんな社会状況の中、全国各地で空き家の活用や再生を軸とした、まちづくりプロジェクトが動き出しています。
都市部と違い地方では、家賃や土地代が安かったり、空き家オーナーとの距離が近く、また消去法的にも空き家への注目が集まることが多く、大胆かつ魅力的なプロジェクトがたくさんあります。今回はそんな地方発の空き家活用・再生・まちづくりプロジェクトをまとめます。(この記事は随時で追加・更新となります)
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1 MAD Cityプロジェクト
まずは毎度の手前味噌からですが、地方都市・松戸駅前の半径500mのエリアを中心に、改装可能・現状回復不要といった変わった賃貸物件を扱って民間によるまちづくりプロジェクトに取り組んでいるMAD Cityです。MAD Cityでは2010年のプロジェクト開始以来、約70戸の空き物件の活用を請け負い100%の活用率を実現しています。そして、アーティストやクリエイターなど200人近い人たちに移住してきていただいています。
MAD City(ウェブサイト)
MAD City(Facebook)
まちづクリエイティブ(Twitter)
2 尾道空き家再生プロジェクト
空き家再生プロジェクトといえば尾道が代名詞、と言っても過言ではない有名プロジェクト。今や120件ある物件のうち約8割は契約済みで移住希望者に対して空き家が足りない状態にまでなっています。尾道出身で、大学卒業後海外を飛び回る添乗員として働いていた豊田雅子さんが中心となって2007年から活動をスタートさせました。
そして07年春、ガウディハウスの修繕を始めて「尾道の空き家、再生します。」というブログを書き始めた。すると、尾道への移住希望者、さらに移住はしないが空き家を再生させたいという熱意のあるボランティアの若者たちから年間100件を超える問い合わせがあった。
「その勢いで『尾道空き家再生プロジェクト』を立ち上げました。約1年後にはNPO法人化し、その翌年には市の『空き家バンク』とも連携し、これまでに70軒近い空き家に明かりをともすことができました」
尾道空き家再生プロジェクト(ウェブサイト)
尾道空き家再生プロジェクト(Facebook)
3 高知空き家活用団体
高知といえば著名ブロガーのイケダハヤトさんが2014年6月に東京から移住されました。そんなイケダさんがスーパーアドバイザーとして関わっているのが高知空き家活用団体です。代表の宮崎柾さんは高知生まれの20代です。2014年に空き家活用の取り組みを開始し、高知市内の築40年の空き家を借りて約1年間シェアハウス暮らしをした後、現在はAirbnbなどの空き家活用ビジネスに取り組まれています。
受け入れ体制が整ったということで、Airbnbへの掲載を開始したそうです!1泊1,220円から泊まれるとのことなので、高知旅行の際にはぜひ。
4 斜面地・空き家活用団体「つくる」
長崎港が一望でき、かつてはトーマス・グラバーらが競って邸宅を構える外国人居留地だった長崎の斜面地では、道路が細く車が入らないことなどから空き家の増加や高齢化が問題となっています。そんな長崎の斜面地の戸建て空き家を改装し、オープンスペースとして活用しようというプロジェクトが進められています。現在、空き家は「つくる邸」として生まれ変わっています。代表は長崎大大学院を今年卒業された岩本諭さん、20代です。斜面地の空き家活用を模索されています。
「つくる」代表で長崎大大学院2年の岩本諭さん(24)の自宅が拠点。岩本さんは活動の一環として、築約60年で10年ほど空き家だった南山手町の一軒家を改装し、夏から友人と2人で暮らしている。
「つくる」(Facebook)
「つくる邸」(Twitter)
5 出羽島プロジェクト
徳島県海部郡牟岐町の港から約3.7km先、連絡船で20分の所にある離島・出羽島の空き家を使って地域再生に取り組もうという取り組みが「出羽島プロジェクト」です。徳島や関西圏の大学生を主体としたNPO法人ひとつむぎを中心に、徳島県出身の建築家である坂東幸輔さんのコーディネート、牟岐町の地域密着メディア・六角舎(ヘキシャ)、そして地元住民や行政の方々が連携しながらプロジェクトを進めています。2015年1月から5月までに計3回のワークショップを開き、空き家活用策を練ってきました。その結果、空き家を観光客らが住民と触れ合ったり島の暮らしを体験することができる交流拠点施設へと改築することが決定しました。
空き家は、出羽島漁港の近くにあり、木造2階建て延べ約60平方メートル。昭和初期に建築されたとみられる。1階はフロア半分を「通り土間」に改築。和室1部屋のほか台所などを備える。2階は和室2部屋を残し、それ以外は吹き抜けにする。玄関脇には県南独特の折りたたみ式縁側「ミセ造り」を再生する。改築費用は約1300万円の見通し。
出羽島プロジェクト(ウェブサイト)
NPO法人ひとつむぎ(Facebook)
6 KGU空き家プロジェクト
関東学院大学の横浜・金沢八景キャンパス近隣の横須賀市追浜の谷戸地域にある空き家を改修してシェアハウスとして活用しようという「KGU空き家プロジェクト」。関東学院大学生による空き家問題をテーマにした卒業検定がきっかけです。改修工事は今年4月に完了し、今後は地域活動の拠点としてシェアハウスを活用していくそうです。
関東学院大学人間環境学部をこの春卒業した、工藤達矢さん・佐藤勇希さんが立ち上げた「KGU空き家プロジェクト」。追浜地域の空き家調査を発端に、借り手の居なかった空き家を改修し、学生たちのシェアハウスに再生させる事業を始めていた。今月4日には関係者を招いて「お披露目会」を開き、6日から同大学で建築を学ぶ2年生3人が暮らしている。
7 0号館プロジェクト
群馬県高崎市内には2万戸以上の空き家があるとされています。そんな高崎で空き家を改修し、学生と社会人、地域住民などが交流のする場へと生まれ変わらせるプロジェクトが動き出しています。その名も「0号館プロジェクト」。代表の三橋純香さんは高校生のときに高校生のキャリア教育を行うNPOの仕事に携わっいた経験から大学生が社会人や地元住民と接する機会や場をつくろうと考えたのがプロジェクトのきっかけでした。改修費用の調達にはクラウドファンディングも使いました。0号館の存在が大学生と街との接続のきっかけとなることが大きなテーマです。
全国の国公立大学は中心市街地から離れています。そして大半の中心市街地は 活気が足りない、若者にもマチに出てきてほしいと考えています。そこで0号館はマチが大学に歩みより、大学生がマチに魅力を感じるきっかけを作ります。具体的には、群馬県内のNPOなどとのコラボや、街中の飲食店の出張販売などを考えています。
駅まで徒歩30分以上という物理的距離を、「学び」や「美味しい!」といった心理的距離で近づけ、中心市街地の活性化へと結びつけます。
0号館(ウェブサイト)
0号館(Facebook)
0号館(Twitter)
8 ホンバコ
全国各地に広がりを見せているリノベーションスクール。不動産の再生を通じてまちでの新しいビジネスを生み出しエリアを再生する実践の場として注目を集めています。そんなリノベーションスクールがきっかけとなった空き店舗再生の取り組みが「ホンバコ」。鳥取市の中心市街地にある元喫茶店がブックカフェへと生まれ変わりました。クラウドファンディングなども活用し、2015年5月下旬にオープンされました。
中心市街地の空き店舗を活用しようと、鳥取市が昨秋開講した「リノベーションスクール」。中心市街地にある元喫茶店の再生が「出題」され、受講生だった岡田さんが「本を持ち寄る図書室があったらおもしろい」と提案したところ、ほかの受講生からも好評で実現を目指した。
所有者らから投資を受けたほか、ネットを通じて資金を集め、2月に改装に着手。知人に手伝ってもらい、休憩室だった2階も含め店内を模様替えした。壁をペンキで塗り替え、本を収める木箱も作り、ホンバコに生まれ変わらせた。リノベスクールで生まれた第1号の再生事業となった。
ホンバコ(ウェブサイト)
ホンバコ(Facebook)
ホンバコ(Twitter)
おわりに・まちづくりから空き家の再生を進めるMAD City
このように全国各地で空き家活用・再生と関わるまちづくりのプロジェクトはたくさんあります。空き家プロジェクトというと、とかく空き家の活用ありきに偏りがちで、肝心の目的が抜け落ちてしまいがちです。MAD Cityではアソシエーションデザインやクリエイティブシティといった理念や概念を研究しつつ、まちづくりを通して空き家の再生を進めています。こうしたMAD Cityのまちづくりの取組について、取材や視察でご説明させていただいています。ご希望される方または団体はこちらまで是非ご連絡ください。
著者プロフィール
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funahashi taku
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空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/
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