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吉原住宅の代表取締役・吉原勝己さんのコラムは、福岡の住宅事情や老朽賃貸ビルが直面する問題、そしてリノベーションの取り組みなどが詳しく紹介されています。

【随時更新】物件価値だけでなくエリア価値も上げていく!エリアをつくる新しい不動産屋まとめ5選

敷地に価値なし、エリアに価値あり

「敷地に価値なし、エリアに価値あり」。これはCET(セントラル・イースト・トーキョー)やアーツ千代田3331、北九州家守構想、オガールプロジェクトなどの様々なまちづくりプロジェクトに携わってきたアフタヌーンソサエティ代表取締役の清水義次さんが唱えているまちづくりの基本理念であり行動指針です。つまり、不動産単体に入居者を集めたり、修繕や改装して建物の価値を向上させるだけでなく、周辺エリア全体の価値向上のために思考し行動していくことが重要ということです。

そこで今回は物件価値の向上だけでなく、エリア価値の向上にも取り組む不動産事業者をご紹介したいと思います。(この記事は随時で追加・更新となります)

1 MAD City

手前味噌ながら、弊社まちづクリエイティブが進めているまちづくりプロジェクトであるMAD Cityでは、松戸駅前の半径500mのエリアを中心に、改装可能・現状回復不要といった変わった賃貸物件に人を集め、不動産事業を通してまちづくりに取り組んでいます。DIYリノベや入居者主催のイベント・交流などを通して物件価値の向上やコミュニティの形成、入居者の自律的取り組みのサポートを図り、5つの運営施設(拠点)を核に周辺エリアの価値向上を目指しています。

古民家スタジオ旧・原田米店など5つの運営施設(拠点)を中心に入居者誘致、コミュニティの醸成、入居者主催のイベントのサポート、物件価値の向上、そしてエリア価値の向上へ取り組んでいます。

古民家スタジオ旧・原田米店など5つの運営施設(拠点)を中心に入居者誘致、コミュニティの醸成、入居者主催のイベントのサポート、物件価値の向上、そしてエリア価値の向上へ取り組んでいます。(画像はmadcity.jpより)

MAD City(ウェブサイト)
MAD City(Facebook)
まちづクリエイティブ(Twitter)

2 ユーカリが丘

ユーカリが丘は千葉県佐倉市にあるニュータウンです。高度成長期の1971年に街づくり企業・山万株式会社が開発に着手します。1979年に分譲を開始、宅地開発・分譲のみならず、あらゆる世代が住み続けられるように山万がまちに関わる事業すべてに携わり、地域ディベロッパーとしてまちづくりに取り組んでいます。全国のニュータウンが住民の高齢化や建物の老朽化に頭を悩ませている中、ユーカリが丘では分譲撤退型の一過性の開発ではなく、持続可能な成長管理型のまちづくりを実現させています。ユーカリが丘は人口約16,000人、区域面積は245ha(東京ドーム52個分)です。

山万の代表的な不動産開発事業である千葉県佐倉市のユーカリが丘ニュータウンのウェブサイト。宅地や住宅の供給だけでなく、暮らしの変化を見越し住み替えや既存住宅の改 修なども含め、まちの成長・成熟化にあわせ都市経営の視点からまちづくりに取り組んでいます。

山万の代表的な不動産開発事業である千葉県佐倉市のユーカリが丘ニュータウンのウェブサイト。ユーカリが丘では宅地や住宅の供給だけでなく、暮らしの変化を見越し住み替えや既存住宅の改修なども含め、まちの成長・成熟化にあわせ都市経営の視点からまちづくりに取り組んでいます。(画像引用元)

山万株式会社
ユーカリが丘公式タウンポータルサイト

3 ジョンソンタウン

埼玉県入間市にはジョンソンタウンというアメリカ風の街並みが広がる街があります(所有・管理者は株式会社磯野商会)。米軍のジョンソン基地(現・航空自衛隊入間基地)軍人が住んでいた米軍ハウス群を残したエリア(敷地面積は約25,000㎡)に約130世帯・210名ほどが生活しています。1978年にアメリカ軍がすべて撤退したことに伴い、土地・建物が入間市に返還されましたが、間も無く磯野商会に売却されます。その後、老朽化などから一旦廃墟となりましたが1996年頃から磯野商会によりリフォームが進められ、賃貸住宅として利用されるようになりました。

ジョンソンタウンは2015年5月、平成27年度都市景観大賞都市空間部門において大賞(国土交通大臣賞)を受賞しました。

ジョンソンタウンは2015年5月、平成27年度都市景観大賞都市空間部門において大賞(国土交通大臣賞)を受賞しました。(画像引用元)

ジョンソンタウン

4 吉原住宅有限会社

福岡市内には「ビンテージビル」といわれるマンションやオフィスビルが点在し、名所的存在になっています。手がけているのは吉原住宅有限会社です。ポテンシャルはありながら老朽化した賃貸ビルに、築30〜50年といった古い建物ならではの価値をもたらすことで「ビンテージビル」として商品化、エリアの賑わいにつなげています。リノベーションという言葉が認知される前からビル再生事業に取り組んできました。文化人・クリエイターが活動する集合アトリエであるリノベーションミュージアム冷泉荘やまちに開かれたコレクティブなオフィスビルである天神パークビルなど、老朽化ビル再生の実験の場として4つのビルを経営しています。

吉原住宅の代表取締役・吉原勝己さんのコラムは、福岡の住宅事情や老朽賃貸ビルが直面する問題、そしてリノベーションの取り組みなどが詳しく紹介されています。

吉原住宅の代表取締役・吉原勝己さんのコラムは、福岡の住宅事情や老朽賃貸ビルが直面する問題、そしてリノベーションの取り組みなどが詳しく紹介されています。(画像引用元)

吉原住宅有限会社

5 丸順不動産株式会社

大阪市阿倍野区昭和町には大正、昭和初期の風情ある長屋や建物が残っています。そんな昭和エリアの長屋などを再生・活用し、エリア価値の向上に取り組んでいるのが丸順不動産株式会社です。社長の小山隆輝さんは、昭和町駅の近くにある四軒長屋が有形文化財に登録されたことでリノベーションされた店舗に人が集まる様子を見て、まちに残る古い建物がまちの活性化つながることを感じたそうです。そして現在は「まちの不動産屋さん」として地域密着でまちの価値向上に取り組んでいます。

「私は“まちの不動産屋さん”ですから、まちに何が起こりつつあるのか、どんな人が住んでいるのか、どういった取り組みがされているのか、に詳しいのは当然だと思っています。そのうえで、昭和町に不動産を通じて、どんなことが必要なのかを考えるようにしています」。まずはまちの価値を不動産を通してあげていく…“まちの価値重視”がその姿勢なのである。

大阪市阿倍野区昭和町~「まちの不動産屋さん」の価値を考える

丸順不動産では魅力的なテナントを計画的に厳選して誘致し、その人たちの知恵も借りながら、一緒に阿倍野のまちを蘇らせていくという「タウンマネジメント」の視点を重視しています。

丸順不動産では魅力的なテナントを計画的に厳選して誘致し、その人たちの知恵も借りながら、一緒に阿倍野のまちを蘇らせていくという「タウンマネジメント」の視点を重視しています。(画像引用元)

丸順不動産株式会社

おわりに

不動産単体ではなくエリアの価値向上に向けて事業展開している不動産事業者を紹介してきました。MAD Cityでは地域ディベロッパーとして不動産の再生とまち全体の価値向上に取り組んでいます。こうしたMAD Cityのまちづくりの取組について、取材や視察でご説明させていただいています。ご希望される方または団体はこちらまで是非ご連絡ください。

取材・講演依頼などのご相談はこちら

著者プロフィール

funahashi taku

funahashi taku

空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/

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