ホーム > 連載・コラム > 賃貸古民家の探し方
- DIYリノベ
- 古民家スタジオ 旧・原田米店
賃貸古民家の探し方
ゆったりとしたペースで生活したい方のドリームハウス的存在、古民家。「古民家暮らし」や「古民家再生」という言葉もかなり一般的になってきました。古民家の賃貸や売買を扱う専門の不動産屋さんも増えてきたので今ではインターネットでいろいろな地域の古民家を探すこともできるようになりました。賃貸でも改装ができる古民家なども探せば出てきます。ただ、古民家大好き!古民家に住みたい!と思っていても、実際の賃貸古民家物件を調べていくと、ちょこちょことわからないところやここはこだわりたいな…というポイントが出てくるのではないでしょうか。
MAD City で取り扱っている「旧・原田米店」(現在満室)。こちらも築100年の古民家をオーナーさんから賃貸で扱わせていただいております。幸い、オーナーさんが大切にされてきた物件なのでMAD City 不動産として目立って直さなくてはならない箇所はなかったのですが、そういう物件でも「古民家ってこういうものなんだ…!」という発見がたくさんありました。今回はそういう「賃貸古民家を探すときに知っておきたいこと」をお届けしたいと思います。
下の方の傷みに注意!木材の傷み、劣化
畳の下の荒床、外壁の板、板張りの廊下など…これは一般の賃貸住宅にも言えることですが、古民家でも要チェックなポイントです。いつの間にか猫が外から室内に入り込めるほどの隙間ができていた…!なんてこともあるので(実話です)しっかり確認が必要。
上の方の傷みにも要注意!瓦などの目に見えないところ
メンテナンスがされていない古民家では瓦がずれてしまったりしていることがあります。ずれた瓦はそのうち落ちてきてしまうので危険です。それに、ずれたところから雨水が浸入して野地板が傷んでしまうことも。視線より高いところはなかなか気付きにくいですがしっかり確認したいところです。
ちなみに瓦の葺き替えはプロの職人技になるのでとても高価です。比較的安価な代替策としてはブルーシートで屋根を覆う…などというやり方もありますが、せっかくの古民家の見た目は損なってしまいますね。
庭や畑の管理が必要なところも
賃貸古民家、といわれると家屋だけの賃貸なのかと思いがちですが、古いおうちはしばしば広い敷地をもっているもの。お庭の草木の水やりや剪定から始まり、季節風の強い地域だと屋敷林があったり、農村地帯だと畑が付いていたり。こういう土の部分って案外管理に手間と時間がかかります。とくに植木は病気になってしまうと近隣のお宅にも迷惑をかけてしまうことがあるので注意が必要ですね。実際に気に入った古民家が見つかった場合は敷地内に家屋以外のどんなものがあるか見ておく必要があります。賃貸古民家の場合はオーナーさんの意見も重要なので、敷地内の管理についてのオーナーさんの要望もしっかり確認するようにしましょう。
上下水道の機能や配管
「どういう家屋が古民家なのか」のはっきりとした定義は現在定まっていないそうですが、一般的には戦前に建てられた木造家屋のことを古民家といいます。広くは築50年くらいが経過したものも含まれるそうです。つまり一言で言うと古いっていうことなんですが、こういうときに気をつけたいのが経年劣化です。木造建築はしっかりした作りだと平気で100年以上もちますが、心配なのが上下水道などの配管部分。こちらのほうが木の部分よりもはやく傷むことが多いです。床下での漏水など気をつけたいところ。また古民家がより古くあればあるほど、下水道が来ておらず浄化槽だったり、上水道ではなく井戸水だったりします。そういうポイントで気になるものがあったら、きちんと確認しておく必要があります。
電気の配線も今と少し違うことが
暖房器具、家電類、PCなどなど…数十年のあいだに私たちの電気の使用量は格段にアップしました。ちょっと昔に電気の配線工事がされている古民家。実際暮らすときに確認しておきたいのは配線の方法、アンペア数、配線毎のブレーカーの有無などです。場合によってはアンペア数が上げられないものもありますし、ヒューズ式の場合は電気の使用量がアンペア数を上回った場合にヒューズが飛んでしまい、それを直すのがちょっと手間だったりするのでご注意ください。でも、電気の使用量を極力抑えた暮らしというのも古民家ならではかもしれません。
難問建付パズル!?
いくら丈夫な古民家とはいえ、年数が経つと建付が少しずつ悪くなってきます。そうすると起こってくるのが「この鴨居にはこの襖しかぴったり合わない」みたいな建具パズル。もともと同じサイズの建具でも、別の場所で使おうとすると引っかかって動かなかったり、逆にゆるゆるで外れてしまったり。一回分からなくなってしまうと元の場所に戻すのは至難の業です。これを防ぐには外すときに「どこどこの襖の何番目」みたいな覚書をつけておくこと。これは暮らし始めてから起こりやすいトラブルですが、事前に心得ておくと安心ですね。
賃貸古民家の探し方、いかがでしたでしょうか。MAD City でも「旧・原田米店」に次ぐ古民家、絶賛探しております。いい物件をご存じでしたらぜひお教えくださいね。
著者プロフィール
関連記事
賃貸マンションで暮らしをシェアしよう!シェアハウス一日体験「ワンデーいろどりマンション」レポート
- 築40年のレトロな大規模分譲マンションの6部屋を、改造・DIY自由なシェアハウスとして運営していくいろどりマンション!しかも各部屋ごとに「ダイニング」や「DIY」といったテーマを決めて入居者の方を募集するというおまけ付き...more
「学ぶ」+「描く」+「一緒につくる」!「DIYリノベ」体験ツアーレポート
- MAD Cityでは、自分でもお部屋を改装したい人向けのリノベーションサービス「DIYリノベ」を始動します。 「学ぶ」+「描く」+「一緒につくる」をコンセプトに、改装プランを建築家と一緒に考えて、職人さんと一緒に改装もで...more
小屋とアトリエと住居の事例のその後…吉田あさぎ個展「子供は早く寝なさい」
- 「小屋とアトリエと住居の事例」のその後 住むにしろ、創作活動するにしろ、アーティストが賃貸物件に求めるポイントって何でしょうか?2015年7月に公開したこちらの記事では、線路沿い、真下はビニール加工工場、変わった間取りと...more
プロの大工に教わる「DIYリノベワークショップ」レポート〜床下地編〜 前編
- DIYリノベとは MAD Cityでは、新たなリノベーションサービスとして、「DIYリノベ」を提供しています。 「学ぶ」+「描く」+「一緒につくる」をコンセプトに、依頼者も設計や施工に参加できるプログラムを用意することで...more
プロの大工に教わる「DIYリノベワークショップ」レポート〜床下地編〜 後編
- DIYリノベとは MAD Cityでは、新たなリノベーションサービスとして、「DIYリノベ」を提供しています。 後半戦:床下地板の設置 前半戦は、解体時に収納部分の床板を剥がしてむき出しになったコンクリート床に根太掛けと...more
DIYでナチュラルインテリアにするためにおすすめの素材7つ
- ナチュラルインテリア、お好きですか?わたしはかなり好きです。白が多めのフレンチカントリー、木の質感にあふれるカントリーナチュラル、アンティーク感のあるジャンクなインテリア、いろいろあります。が、ナチュラルインテリアはどれ...more