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松戸市文化ホール活用プロジェクト2022

概要

40年間以上と長きにわたり大きなリニューアルなく運営されてきた松戸市文化ホールは、松戸駅3分に立地しながら利用率の低迷が見られています。そこでリジェネラティブデザイン(≒ヒトとモノの再生)をテーマに、小さな実証実験と、勉強会およびワークショップからなるリビングラボを行うことで、今後の利活用や空間の再生に向けた施策を研究しました。

  • プロジェクト名
    • 松戸市文化ホール活用プロジェクト2022
  • 実施期間
    • 2022年4月~2023年3月

ストーリー

松戸市文化ホールは市内唯一の公的なギャラリー空間を有し、また幼児預かり施設や国際交流協会といった市の外郭団体、中高生の居場所機能など複合的な機能を持ちながらも、十分に活用されているとは言い難い状況でした。その要因として内装のリノベーションも適切な時期を逸しており、かつての大空間を機能ごとに区切ったかのような内装変更のあと、長らくそのままの状態で運営されてきたことがあります。

空間の設計思想も時代時代で変わってきたところがあり、多様化の進む昨今は大空間を多目的化して可動壁などで柔軟に使いこなすことが多くなりました。これまでこの文化ホールでの取組は2年に渡っており、1年目はリビングラボの視点、2年目はプレイスメイキングの視点を取り込んできましたが、3年目となる2022年度はリジェネラティブデザインを取り入れ、空間の柔軟性を取り戻すこととSDGsの両立を視野にいれた実証実験と改めてのリビングラボを行うこととしました。

成果

リジェネラティブデザイン研究会をパートナーに迎え、修正材の製造工程で生まれる廃棄木材の乾燥工程を文化ホール内のベンチ設置と一体化させた実証実験を行いました。ホール内の共有部分4ヶ所に設置されたベンチは廃材を束ねた伝統的な乾燥方法をモチーフとしており、6ヶ月にわたる設置の間に乾燥して内装材として使用できるようになる見込みです。具体的には単管と同様に使える見込みのため、リジェネラティブデザインの考え方や事例を勉強会で学ぶとともに、ワークショップで単管を活用しながらホール空間をどのようにリニューアルしていくかの企画を練りました。

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手法

複数年度にわたる活動の継続

文化ホールについては2021年度から、頻度は少なく規模も小さいものの、3年度に渡って活動してきました。この間、施設管理者である社会教育課の担当者異動や変更による難しさや、参加者のメンバーの入れ替わりもありながら、過去の事例共有や実証実験イベントの蓄積により施設管理者側との方向性の擦り合わせ、参加者の広がりが生まれています。

大きな社会テーマの盛り込み

新築でなく内装リノベーションであるとしても、ハード面の改修には大きなコストや責任が発生します。昨今では、長期で回収が必要となる開発行為においてはSDGsへの対応がごく重要となりました。都市部でできるSDGs的な施策は幅が狭く、しばしば排出権取引のように地方からの移転取引によって形式的に対策することも多いものですが、本PJではリジェネラティブデザインをもりこむことで都市部なりにできる企画を開発していきました。

一挙両得的な実証実験の企画

社会実験の導入は一般的になったものの、自目的化しているものも散見されます。今回のベンチはそれ自体が廃材の乾燥工程として木材の利活用に資するだけでなく、その間に文化ホールの共有部分のサービス向上にも役立ち、さらに6ヶ月後には建材として新たな実証実験に資することを想定しています。このように実証実験を実施するだけでなく、そのことで副作用的なメリットや、将来のメリットが生まれる実証実験を考えることができました。

共創的なワークショップ

ワークショップで期待される効果は大きく合意形成と共創の2つですが、行政が絡む場合しばしば共創の要素が漏れがちです。今回は6ヶ月後の建材使用を踏まえて多数決ならぬ「多様決」を盛り込んだワークショップを行うことで、一般的なブレインストーミング以上に行政の枠を超えた特徴あるアイデアを生み出すことができました。

メンバー

松戸市社会教育課
中島弘貴(リジェネラティブデザイン研究会)
戸石あき(リジェネラティブデザイン研究会)
株式会社まちづクリエイティブ

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