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green drinks 松戸 vol.6 レポート
自給自足の街をテーマに飲み語り合うgreen drinks 松戸。11月25日に開催されたvol.6は
「自給ハウスへようこそ ~暮らし改造会議~」と題し、房総半島のいすみ市で完全に自給的な
暮らしをするR工房の佐野洋夫さんをお招きし、家や食べ物など身の回りの物をいかに自給
していくか話し合いました。当日の様子をレポートでお伝えいたします。
築40年のセルフビルドのアパート「自給ハウス」とは
今回の会場は通称「自給ハウス」。gd松戸のオーガナイザーである殿塚が住むアパートです。
実はこのアパート、今回のゲストである佐野さんによってセルフビルドで建てられたものなのです。
「俺は彫刻家になるつもりだったんだ。そのためにはアトリエが必要だろ?だからアトリエ兼住居として建てたんだ」
とアパートを建てた理由を語る佐野さん。あまりにさらっとお話しされましたが、その自給力の高さに参加者一同
驚きです。基礎から作り始め、ほとんどの作業は自分一人で行ったとのこと。完成までに1年以上かかったそうです。
今回のgd松戸はそんな佐野さんと共に少人数の宅飲み形式で行われました。まずは参加者の自己紹介。松戸の
古民家で子ども向けアート教室を行う先生、2013年の衆議院選を目指す26歳の旅人、スイスの車の中で生活して
いたWebデザイナー、22歳の柏の百姓など多彩な若者が多く集いました。
肝心なのは「観察力」
「家から自給したい人いるかい?」という参加者への質問から佐野さんのトークが始まりました。いきなりの質問に
驚きつつも参加者の反応は「興味はあるけどなかなかそこまではふみこめない」という様子です。それに対して
「自分で作ると、どこにどういう手間がかかっているとか、何がポイントかわかる」と語る佐野さん。家や食料など、
様々なものを自分で作ることによって「身の回りの物がどうやって作られているか日々意識し、観察して欲しい。」
とお話し頂きました。
「家はどうやって建てられるようになったのか」という参加者からの質問に対しては「まずは小さい小屋を作った。基本が
出来てしまえば、あとはそれの応用」と答える佐野さん。もちろん最初は苦労されたそうで、この自給ハウスも建築確認
を取るために何度もやり直しをしたそうです。
佐野さんの自給に対する本気度はここまででも十分伝わりますが、さらにこんなエピソードもご紹介頂きました。
いすみで無農薬米を作っている仲間との会合でのこと。その日の話題はいかに効率的に雑草を生やさずにお米
を育てるかで持ちきりになりました。しかし佐野さんはその考え方に異論を唱えたそうです。「俺らの目的は米を
売って商売することではなく、無農薬のお米を育てること」と、まず「農業」なのか「農」なのか目的の違いをはっきり
させた上で、「雑草を無くすと言う考えは良くないと思う。雑草が無いと田んぼに入らなくなり、稲の表情が解らなく
なって良いお米が作れない」と。会合の場にいた全員がハッとしたことは言うまでもないでしょう。最後に家づくりに
しろ、農作物づくりにしろ感じなのは「自分の目で見て観察すること」と自給に必要な本質を伝えてくれました。
本質を突く佐野さんのメッセージ
佐野さんから発せられる言葉にはうわついたメッセージがありません。必然的に聞く方も真剣になります。佐野さんの
素晴らしさはネットが発達しバーチャルな世界が凌駕する現代でも決して揺るがない、現実・本質主義であることだと
思います。それは今も自給ハウスの庭に生えている樹木が元々彫刻に使う目的で植えられたというエピソードからも
伺い知ることがます。佐野さんが話すことは全て「自分がしてきたこと」。農業に従事し、その大変さを知った上で自ら
の信念を貫いている佐野さんのメッセージだからこそ伝わるのではないでしょうか。
自給自足の街を目標に掲げて始まったgd松戸。それは佐野さんのように全て自分で自給することをベースに、自分
でできるものは自分で作り、足りないものは顔が見える範囲で補う、という考え方です。今回佐野さんにメッセージを
頂いたことで、まだまだ足りない部分も多く見えました。一歩ずつですが松戸を自給的な街へと前進させていきたいと
思います!みなさんも、真面目に悪ふざけができるMADな街、松戸を一緒に自給自足できる街に変えていきませんか?
——〈以下は事前の告知時の記事になります〉——
green drinksとは、東京やニューヨーク、中国からボツワナまで世界の750都市以上で
開催されているグリーンやエコをテーマにした飲み会のこと。
green drinks 松戸は、松戸に拠点を構えるMAD City Gallery、SlowCoffee、CAMOO、
晴れる家cafeが協力しあい、“自給自足できる街”をテーマに松戸のあちこちで月に
1回開催しています。
vol.6のテーマは「自給ハウスへようこそ ~暮らし改造会議~」
30年ほど前、芸術家を志したある青年が自らの住居兼アトリエとして松戸に
セルフビルドでアパートを建てました。その芸術家は現在房総半島に拠点を
移しましたが、今でもアパートは残っています。そのアパートの一室に
green drinks 松戸のオーガナイザーである殿塚は住んでいます。
名前は勝手に「自給ハウス」と名付けました。
自給ハウスは、内装を自分で行ってもいいというオーナーさんの許可を
得ている住居。つまり改造可能物件です。普通の物件は「現状回復」という
ルールがあり、賃貸住居では自分の好きなように内装をいじることが
できません。オーナーさんがきれいに直して貸してくれる家もいいけれど、
自分で直したい人にとっては少し窮屈。家という生活のベースを自分で
手を入れて直していくことは自給的な暮らしのために必要なことでは
ないでしょうか。
gd松戸 vol.6では「自給的ハウスへようこそ ~暮らし改造会議~」と
題して、自給ハウスの建築者であり、現在房総半島のいすみ市で今昔農法と
名付けた農を行い、完全自給的な生活をしているR工房の佐野さんをお招きし、
鍋を囲みながらハウスをどんな風に改造していくか。そして暮らしのベースで
ある松戸という地域でこれからどう生きて行けばいいのか。話し合いたいと
思います。
1階の庭を菜園にしたり、壁面を漆喰でぬったり、屋根にソーラーパネルを
つけたりと改造可能だからこそ広がる夢をみんなで話し合い、家で、そして
松戸でどんな暮らしをしていくか一緒に考えませんか。
green drinks 松戸 vol.6 「自給ハウスへようこそ ~暮らし改造会議~」
日時:11月25日(金)19:00~21:00
場所:自給ハウス
※詳細なアクセスはお申込み頂きました方にお伝えさせて頂きます。
料金:800円(ワンドリンク付)+鍋代実費を割り勘
申し込み方法:ページ下のフォームよりお申し込みください。
プログラム:
18:30~19:00 開場
19:00~19:05 はじまりの挨拶
19:05~19:20 R工房佐野さんとハウス見学
19:20~21:00 みんなで乾杯! ~暮らし改造会議~
【ゲスト】
佐野洋夫
自給ハウスの建築者。房総半島のいすみ市にて木を切り出すところからの
家作りと、炭焼き、今昔農法と銘打った米、麦、豆、野菜、果実、養鶏等の
複合農業を行っている。またR工房通信というブログにてこれまでの蓄積や、
観察した事、自然から学んだ事、生き方、環境への思いや責任を日々の
暮らしや作業の中から拾い集めて書いている。
・R工房通信http://rkoubou.jugem.jp/
【モデレーター】
殿塚建吾
1984年生まれ。松戸市出身。オルタナS編集員。古民家鑑定士。
松戸のまちづくり会社に勤めるかたわらフリーでオルタナSのライター、
企業のCSRイベントを企画運営している。自給自足の笑える街づくりが
当面の目標!現在は21世紀の百姓を目指し、松戸での自給計画を
妄想中。
※プログラムは予告なく変更になる場合がございます。
※当日の様子はUST中継させて頂く場合がございます。 また撮影した
写真・映像は Web上で公開させて頂く場合がございます。
※申込み多数の場合は受付を締め切らせて頂く場合がございます。
あらかじめご了承ください。
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