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『おこめのいえ手創り市』ってどんなイベント?~手作り市の作り方~

MAD Cityの象徴的物件、『古民家スタジオ 旧・原田米店』の入居者であり、WEBデザイナーの安藤早織さんが運営しているマーケット、『おこめのいえ手創り市』。普段はシェアアトリエであるこの場所で、どうやって、またどんな気持ちで開催しているのか、安藤さんがレポートを寄せてくれました。

『おこめのいえ手創り市』ってどんなイベント? by 安藤早織

タワーマンションに囲まれた古民家の中庭、すっきりと晴れ、そこだけぽっかり大きな空が広がります。薄紫のガーランドがはためく中、私たちは小さくて緩やかなマーケットをひっそりと、でも少し賑やかに開いています。

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「おこめのいえ手創り市」は『古民家スタジオ 旧・原田米店』中庭にて2014年5月18日に開催しました。
手作りのものだけを集めたマーケットで、ハンドメイド雑貨だけではなく、野菜やお菓子など、幅拾い手作りのものを扱っており、作り手さん自身が自分の商品を売ることを基本としています。

最初は「ミルクルマーケット」という名前で始めて、5回目まで開催したところで、「おこめのいえ手創り市」と名前を変え、場所も屋外から野外へ変更、前回の5月18日が第1回目の開催でした。愛称は「コメイチ」です。準備を始めたのが遅く、出店者の募集も直前になってしまったものの、最終的には13グループの出店があり、お天気にも恵まれ、150人超のお客様が来場されました。

「手作り市の作り方」と称して、「おこめのいえ手創り市」第1回目のレポートと、それにいたる経緯を少しお話ししていこうと思います。

場所ありきで始まった「おこめのいえ手創り市」

「おこめのいえ手創り市」の開催は「手作り市をやりたい!」から始まったわけではありませんでした。
この場所を楽しいことに使いたい。シェアアトリエとして借りている私たちだけでこの場所を堪能しているのはもったいない。少なくとも、私の気持ちはそこからが始まりでした。
とはいえ、実際にそれを行動に移すことになったのは物理的な小さなきっかけです。

『古民家スタジオ 旧・原田米店』(※以下旧・原田米店 )とは千葉県松戸市、松戸駅西口の旧水戸街道沿いに立つ古民家です。路面側の商家が明治に、商家に続く母屋が昭和に、奥の民家が大正時代に建てられたと聞いています。門から奥の民家に続く通路には江戸時代に旧水戸街道に使用されていた敷石が並び、中庭は意外と広く、民家の裏には少し雑然としてはいるものの、豊かな裏庭があります。近隣がタワーマンションや駐車場に変わっていく中で、そこだけが空が広く、しっとりと静かな時間が流れており、現在10数組のアーティストやクリエイターがアトリエや店舗として入居しています。

始まりはミルクルマーケット

最初の運営者は母屋の納戸を借りている私、安藤早織と商家の路面側にあった子ども向けのアート教室『アトリエミルクル』を運営している鈴木美穂、ミルクルのスタッフだった篠澤史子の3人です。

会場は、路面側の商家にある『アトリエミルクル』のスペースでした。
『アトリエミルクル』の鈴木美穂から、教室として手狭になってきたので、ちょうど空いた裏の間を新たに借りたいが家賃が増えるのは苦しいというのを聞いて、それなら教室が開いていない時間は誰かに貸したらどうか?この魅力的な場所でフリマやショップをやってみたかったし、手始めにイベントを開いてそれの参加料を家賃の足しにしたらどうだろう?と提案したのが始まりでした。
その後、『アトリエミルクル』は市川にあるもう一つの教室の方に力を入れることになり、旧・原田米店から卒業することになったので、中庭に場所を変え、運営者も私と篠澤の2人になって、新しく名前を変えて続けることにしました。

会場の中庭は入居者の共有空間ですので、まずは入居者の1人である私が、旧・原田米店を運営しているまちづクリエイティブさんに相談した上で、入居者全員にお断りをいれて、借りています。

『アトリエミルクル』で開催していた時は店の軒先と、土間、上り框、帳場、奥の間が会場でした。
什器は、軒先に配置した飲食用スペースでは奥の古民家でMAD labとして活動している森純平さんが作った簡易木製テーブルを使用して、屋内では『アトリエミルクル』で使用している子供用のミニテーブルをレンタル、または出店者さんでご用意していただく形にしていました。

野外の開催での問題と苦労

これが野外になって、悩んだのはまず、レンタルするテーブルがないということ。寝転べるような芝生の庭ではありませんし、空間の形状も細長く、敷石の周りは土がむき出しですので、地面にシートをひいて…というわけにはいきません。小さなマーケットですので、気軽に参加していただけるようにこちらでもいくつかテーブルを用意しておきたいと思い、近隣の自治会のテーブルをお借りできないかなと聞いてみたりしましたが、町内会のイベントでないと難しいらしく、森純平さんに相談して、新しいテーブルを増やしてもらったり、他の入居者からテーブルを借りる相談をしたりして、出店者の半分くらいはカバーできるように用意しました。とはいえ、蓋をあけてみれば、什器を持っていらっしゃる出店者さまも多く、全部は使用しないですみました。各ブース、工夫された装飾がほどこされていて、作家さんのポテンシャルの高さには驚かされます。

運営者が2人になり、会場が野外になったことで、準備の手間も増えました。特に当初は会場から少し離れた自治会の倉庫のテーブルを借りる、と算段していたわけですが、それらを2人で運ぶのはいくらなんでも無理があります。
そこで「ミルクルマーケット」では参加費を一律1,000円にしていましたが、「おこめのいえ手創り市」では、会場設営の準備と撤去を手伝ってくださる方は500円、それ以外の方は1,000円としました。
(結果的には上記のように旧・原田米店内でテーブルを用意できたので、一番心配していた労力はだいぶ少なくてすんだのですが。)
出店者の多くの方が手伝ってくださって、ちょっとした連帯感も生まれ、私たちが目指している「参加してくださるみなさんで作るマーケット」という形により近づけたような気がします。

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居心地のいい会場作り

会場の装飾に大活躍するのは私自身が2012年に江戸川河川敷で開催した野外結婚式「edogawa outdoor wedding」で使われたガーランド(フラッグ)と大きな布です。
ガーランドは30メートルのものが3本あり、会場を貼り巡らすと雰囲気がだいぶ華やかになります。
布は門を入ってすぐの通路に、建物の軒先と塀の間に渡してタープのように。
その他、同じく「edogawa outdoor wedding」で使われた残った白い布で布看板を作ったり、以前、旧・原田米店で開催された「古民家オープンスタジオ」の際に作成した木製看板を描き直して再利用しました。今まで松戸で開催してきたイベントが多かれ少なかれ、コメイチの土台となっているのです。

その他、4畳ほどの小さな私のアトリエにマットやクッションを置いて授乳室にしたり、中庭にはMAD labが作ったベンチや、中古のソファを出したり、当日アトリエには来ていないイラストレーターの松岡マサタカさんの場所をお借りして休憩室にしたりと、居心地のいい場所作りを工夫しました。
来場者にも出店者にもお子さん連れの多いマーケットなので、これはとてもよかったようです。

出店者が集まらず…

今回もっとも苦労したのは出店者さんがなかなか集まらなかったことです。出店者募集の案内が遅くなったこと、小学校の運動会やデザインフェスタなど、イベントが重なっていたことなどがあり、都合が合わない方が多く、開催二週間前でスタッフを含めて参加が決定しているのは7店舗ほどという状態。中庭より狭いミルクルマーケットでも13~17店の参加でしたから、これではかなり寂しいです。
「おこめのいえ手創り市」では、雑貨の他に、飲み物、菓子、野菜も最低一店舗ずつ確保するようにしています。知りあいに声をかけたり、柏の「手づくりての市」に出店されている方をナンパしてみたり…、直前にはWEBの効果も出てきて、問合せからの参加申込もあり、最終的には13グループの参加がありました。

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次回は7月6日(日)開催!雨天中止です。晴れますように!

次回、7月6日(日)の開催では、おかげさまでこれらの努力が実りまして、たくさんのお問い合わせをいただき、28店舗の出店者さまが集まりました。真夏ですので会場設営もさらに工夫して、盛り上げたいと思います。
ぜひ、遊びにきてくださいね。

「おこめのいえ手創り市 7月」

著者プロフィール

安藤早織(Saori Ando|WEBデザイナー)

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京都造形芸術大学卒業。東京都出身、1997年より松戸市在住。
CG制作会社、IT関連会社を経て2006年からフリーランス。
WEBサイトを制作する傍ら、地域と生活、民俗に根ざしたアニメーションを制作しています。

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