街道スタイリッシュ

かつて水戸黄門こと水戸光圀公が通ったことでも知られる、松戸が宿場町だったころのメインストリート、旧水戸街道。現在の水戸街道は墨田区向島から茨城県水戸市を結ぶ国道6号線で、そこから外れた通りが旧水戸街道と呼ばれています。

しかし本来は旧街道こそ正式な水戸街道でした。なので地元住民の方々は、今でも旧水戸街道のことを「水戸街道」と呼んでおり地元のアイデンティティのひとつになっています。

今回はそんな（本来の）水戸街道沿いの物件を紹介する街道シリーズの第2弾。ご紹介するのは駅前にある新しいマンションです。街道沿いにあるだけあってよく見ると歴史の名残をたっぷり引き継いでいます。（第1弾はこちら:街道レトロ荘）

まずはマンションのカタチにご注目。実はこの縦長なスタイルこそ街道沿いにある物件の特徴なんです。江戸時代は住居の間口の大きさに応じて課税されていました。そのため間口を小さくして奥に長い、通称うなぎの寝床型の建物がずら～っと並んでいたのです。

今もその名残りから土地自体が縦長になっているため、必然的に建物もビューンと長いカタチになっています。

さらにこのマンションは、大正期に建造され松戸の歴史的建造物のひとつであった旧川崎銀行の跡地に建てられています。

旧川崎銀行はその後変遷を経て三菱銀行に、そして最終的には地元松戸競輪を運営する松戸公産のオフィスとなりました。
そのため今も階下のフロアには松戸公産が入っています。（このマンションのオーナーさんでもあります。）

室内はホワイトに統一されていて、清潔感があってシンプル。なんと消火器までホワイトです。ワンルームという限られたスペースを上手に活用している点もオススメポイントのひとつ。

例えば洗濯機置き場は玄関左側の収納の中に有るので、未使用時には目隠しをできるだけでなく上部のスペースを棚として使うこともできます。

他にも広いバスルームを保つために洗面トイレは隣接させていたり、壁面にはピクチャーレールまで付いているなど、シンプルなデザインを損なわずにスペースを活用する工夫がいたるところに見られます。

そして嬉しいのはその眺望。江戸川越しにスカイツリーが望め、夏には葛飾・松戸などの花火大会を目にすることもできます。南向きなので陽当り・採光も良好。

賃貸マンションにしては珍しく管理人さん（感じの良いおばさんでした）がいるのも、図面からは見えないプラスポイントですね！

うなぎの寝床をスタイリッシュな外観に、歴史ある建物を妥協の無い最新設備に、そして江戸時代の松戸宿の繁栄を支えた江戸川を昔と変わらず楽しめるように、磨き込まれたと言って良い物件です。

歴史や価値を活かしながら、新しい価値へと創り変えていくことこそ何よりのクリエイティブ。単なる築浅マンションとして住むだけでなく、歴史のバトンを受け継ぎながら住まう方にぜひいらしていただきたい。きっと充実した暮らしができるはずです。