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KOMPOSITIONとの居住支援連携
概要
まちづクリエイティブ代表が前職でもあるNPO法人KOMPOSITIONの活動拠点を渋谷から松戸に移し、福祉活動を事業ドメインとする転換を行いました。KOMPOSITIONが2022年からは千葉県指定の居住支援法人に指定をいただき、まちづクリエイティブは連携してMAD Cityエリアで生活困難者への住居提供や、居住者への生活支援や起業支援を行っています。
- プロジェクト名
- KOMPOSITIONとの居住支援連携
- 実施期間
- 2021年12月~進行中
ストーリー
コロナ感染症にまつわる社会変化により、MAD Cityの入居者のうち一定の方々はダメージを受け、収入が不安定になるなどの問題を抱えることとなりました。またそれでなくとも、コロナ以前から客層の一部はシングルマザーであったり外国籍者であったり、障害を抱えていたり子育てに難しさがあったりと、弱者性のある方が一定含まれていました。こうした方々がMAD Cityに集まれたのはDIYでの改装を理由に低廉な家賃や、まちづクリエイティブの不動産サブリースにより保証人要件や入居審査が一般と異なったことがあります。
しかしながらウィズコロナ社会が長期化するなか、営利活動とは真逆の教育啓蒙的な取組や、あるいは専門家を交えた弱者支援の領域までサービスが必要になってくると、単一の株式会社だけではその受入や支えを持続させることは難しくなりました。そこで代表が20年近く経営を続けていたNPO法人を松戸に移転し、新たに福祉領域の団体に転換しました。そのうえで一部住居をまちづクリエイティブからKOMPOSITIONが借り上げて運営するほか、株式会社がゼロからプラスをつくる支援を行う一方で、NPOではマイナスをゼロにする支援を活動範囲として連携しています。
成果
株式会社とNPO法人の連携により、特定妊産婦の家族を含めたのべ13組の居住支援を行い、うち11組については自社で受け入れを行いました。また松戸の福祉系NPOとともに連携に向けた交流を行いながら、地元子ども食堂への会場提供や、MAD City入居者の支援対象者に向けて各種助成金や生活保護に関わる相談受付についてのべ50回以上を行っています。
手法
営利と非営利の連携
まちづくりは幅広く、再開発や企業誘致あるいは一般的な起業支援のようなごく営利性の高い領域もあれば、子育て支援や高齢者福祉あるいは景観維持のような非営利性に結びつく領域もあります。この両者を網羅することなしにまちづくりの実践はできるものではないでしょう。コロナ感染症によりアーティストやパフォーマーといった人々が大きなダメージを受けたことは営利だけでなく非営利の領域にも事業を拡張する大きな必要税となりました。
共創型サブリース
サブリース(転貸)はシェアハウスの詐欺的投資に用いられたこともあり社会的なイメージが悪化したところがありますが、一方で地域活性化の際には不動産の活用が必須なことから大きな社会価値を生み出せる良さもあります。このような狙いを持った、まちづクリエイティブの実践しているサブリースは共創型サブリースとして注目されつつあります。
福祉への不動産サブリース活用
住宅のサブリースは生活インフラの核をなす住居提供に直結するところから、福祉事業において急速に求められつつあります。実際に、MAD Cityでの居住支援においては保証人要件や入居審査はもちろん、家賃や期間までまちづクリエイティブが所有者に代わって決定できることが柔軟性や対応速度の価値となりました。
地域コンソーシアム
居住支援を必要とする方々のなかには低所得だけでなく、妊産婦や子育て、障害やLGBT、外国籍など、複数の課題を持った方々が多々いらっしゃるのが現実です。それぞれの課題に対して行政の支援が縦割りになっているため、できるかぎり民間側のNPOや社会福祉法人などで各自の専門領域を寄せ合って対応する必要があり、松戸市内で活動する「まつどでつながるプロジェクト」を中心に連携を進めることができました。
メンバー
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