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子育てしやすい街とは?育児サポート環境、生活環境、教育環境+α|松戸市はこれから次第、言われているほど子育てしにくい街ではない
子育て世帯の方々からのお問い合わせが増えてきました
MAD Cityでは最近、「松戸って子育てしやすいんですか?」といったお問い合わせをいただくことが増えてきました。子育て世帯にとって、生活の拠点が子育てを後押ししてくれるような住み心地の良い街ならば、ぜひ引っ越してみたいと考えられるのではないでしょうか。ただし松戸市って正直なところ、治安が悪い印象があるなど、あまり子育てに向いていない街なんじゃないかって思われている方も多いのではないでしょうか。
子育てしやすい街の条件とは?
子育てしやすい街の条件とは一体なんでしょう?そう思ってウェブを検索すると「子育てしやすい街ランキング」(データが古い物もあり)や「子育てしやすい街の条件」といったサイトや記事がたくさん出てきました。どうやら、一般的に子育てしやすいと言われている街に共通する要素はいくつかあるようです。これらのサイトや記事を踏まえて、子育てしやすい街の条件を探ってみたいと思います。
子育てしやすい街の条件とはなんでしょう?(画像引用元)
(1)都市別・妊娠育児における住みやすい街ランキング(株式会社プラスアール)
体や健康に関する役立つ予防法や対処法をまとめたカラダノートを運営している株式会社プラスアールが、今年8月に「都市別・妊娠育児における住みやすい街ランキング」を発表しました。このランキングは認可保育園、公立幼稚園、産婦人科、小児科、公園の数、待機児童の数から点数を付けて、順位を割り出しています。残念ながら松戸市しかり千葉県は調査対象外です。
「5大都市子育てしやすい街ランキング」は公的発表数値をもとに、5大都市の都市雇用圏内の自治体を対象に、 子育てのしやすさを「待機児童数」、「認可保育園充実度」、「公立幼稚園充実度」、「産婦人科充実度」、「小児科充実度」、「公園の充実度」の6つの観点に分類し、 各項目毎の20位以内に順位に応じて加点した合計値で算出されています。(画像引用元)
(2)行政区別子育てサポート&教育環境徹底リサーチ(SUUMO)
不動産ポータルサイト・SUUMOによる「行政区別子育てサポート&教育環境徹底リサーチ」は、育児サポート環境(保育料や保育園の受け入れ状況など)、教育環境(人口に対する学校の数など)、生活環境(図書館や都市公園、病院の数など)のテーマ別に、行政区データや力を入れている取り組みについて紹介しています。こちらの調査は千葉県もありました。ただし、公開日が2011年6月と少し古いです。なお、2015年現在のデータに更新はされていないようです。
調査自体は2011年のものなので古いですが、「育児」「教育」「生活」のテーマに分けて行政区データとサービスや取り組みが詳しく紹介されています。(画像引用元)
(3)子育てしやすい街はここだ!(住友不動産販売)
大手不動産会社の住友不動産販売でも「子育てしやすい街はここだ!」と、子育てしやすい街(自治体)のポイントを次の(1)〜(4)の4つにまとめて紹介しています。ただし、こちらもデータが2011年11月時点のもので古いです。こちらのデータも2015年にはアップデートされていません。
(1)病院・医師数と医療費助成(一般病院総数、小児科医師数)
(2)出産・育児、教育環境(産婦人科医師数、出産祝い、出産費用助成、保育所数、待機児童数、教育に関する取り組み)
(3)安心・安全(警報犯罪認知件数、自治体独自の防犯・防災対策)
(4)環境(百貨店・総合スーパーの数、図書館数、児童館数、都市公園面積と自然保護への取り組み、これから開発される新たな街)
街のデータや行政サービスから子育てしやすい街を選ぶポイントを解説しています。(画像引用元)
(4)出産・子育てしやすい街ランキング(週刊東洋経済)
週刊東洋経済2013年8月3日号では、「出産・子育てしやすい街ランキング」を首都圏と関西圏で作成しています。出生率や保育所の整備状況および保育料、小児科・産婦人科医の数に加え、公園面積など子どもが遊びやすい環境かどうかも評価の対象としてランキングしています。1位〜10位は東京都がほとんどですね。
出産・子育てしやすい街の評価ポイントとして、保育や医療、公園、治安といった項目が並びます。(画像引用元)
「子育てしやすい」は人それぞれ
以上のサイトや記事から、子育てしやすい街とは一般的に何なのか、ざっくりとした条件は見えてきたと思います。しかしこれはあくまでも一般的な条件にすぎず、実際にその街が子育てしやすいかは人それぞれです。”子供が伸び伸びと健康に育つ環境”や”教育に良い環境”が「子育てしやすい」と言えますが、非常に漠然としています。(参照記事:子育てに良い街選び1 最初に考えること)
しかし、これまで見てきたような子育てに対する各種支援や手当、保育園や病院、公園、スーパーなどの商業施設の充実具合、治安や災害対策の状況などは、どれも子育てしやすさに直結するかは分かりませんが、少なくとも程度の差こそあれ、どれも「子育てしやすい」にとってプラスになることは確かです。
「子育てしやすい街」を選ぶときにチェックしたいこと
子育てしやすい街の条件はあくまで一般的ですが、それだけ誰もが気にするポイントと言えます。自治体の子育て支援サービスの充実具合、公園や緑地など子供を安心して遊ばせられる場所があるか、子育て世帯が多く住むエリアなのかなどは、最低限どの子育て世帯でも知っておきたいポイントだと思います。では何をどうやってチェックすれば良いのでしょうか。この点、街選びのプロとして首都圏のほとんどの街を踏破されている住まいと街の解説者・中川寛子さんの記事がとても詳しいです。記事の中では「自然条件に恵まれ、子供の遊び場が多い」「子供のいる世帯の多い地域」「文教エリア」「自治体のサービス」「安全」の5つのチェックポイントの調べ方について具体的に紹介されています。
ウェブサイトと現地下見の両方から調べることで子育てしやすい街なのか、多面的に把握できます。(画像引用元)
松戸市は言われているほど子育てしにくい街ではない
それでは松戸市は一体、子育てしやすいのでしょうか?まず結論から言うと松戸市はイメージほど子育てしにくい街ではないということです。まず保育インフラに関しては、松戸市の保育所定員数は5,089人(公立保育所定員数2,010人、私立保育所定員数3,079人)で保育所数は53なのに対し、お隣の柏市では保育所定員数は5,100人(公立保育所定員数2,955人、私立保育所定員数2,145人)で保育所数は46です。世帯あたりの保育所数では柏市に劣っていますが、これは世帯あたりの子どもの数とも関連するので一概には言えないところがあります。保育所あたりの子どもの数が少ないことは、詰め込み教育・保育の問題が言われている意味ではプラスとも言えます。そして特徴として私立保育園が多いことも特徴です。これは市の民間保育事業者への支援が松戸市のほうが手厚いということがあり、松戸にも一定の強みがありそうです(参照:みんなでつくる地域・生活情報サイト「生活ガイド地域情報」>行政データ比較)。
また、松戸駅前には伊勢丹やダイエー、アトレ、イトーヨカードーなどの百貨店やスーパーが充実していたり、徒歩10分以内で江戸川河川敷に行けるという環境があります。行政の子育て支援策についても、松戸市で出生届を提出した保護者には協賛店舗から割引や特典が受けられる「子育てみらいカード」が無料交付(12歳以下の子供の保護者が対象)されたり(お隣の柏市や流山市、船橋市、市川市などではこのようなサービスはありません)、18時から23時まで利用できる夜間小児急病センターを365日開設するなど、なかなか手厚いです。子育てガイドブックや子育て支援情報専門のウェブサイト「まつどあ」による情報発信なども便利ですね。なお、「にっぽん子育て応援団」による調査で松戸市は2年連続で子育て支援が盛んな自治体の全国2位に入っていたりもします。
松戸子育て情報サイト「まつどあ」は、市内で子育て中のお母さん達が作成した、子育て情報専門のウェブサイトです。 松戸市の委託を受けて、NPO法人松戸子育てさぽーとハーモニーが運営しています。(画像引用元)
(追記)なお江戸川河川敷については土地管理上の特性もあり、ホットスポットの問題以降に除染が行われていないという問題も潜んでいます。判断は個々人に委ねたく思います。詳細はこちらに詳しいです。
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松戸市がもっと子育てしやすい街になるために
松戸市は以上のように、子育て支援策に関して結構頑張っています。しかし、子育て世帯の転入人口増加率アップにまでは結びついておらず、子育てしやすい街として認知されて子育て世帯が引っ越してくる、というわかりやすい成果はまだ得られていないようです。少子化、高齢化の社会情勢、地方創生が叫ばれる中、どこの自治体でも子育て世帯の転入増加は重要な課題と言えますから、現在の取り組みをアピールしながら、より環境整備を行うことが重要でしょう。
松戸市に関して言えば、公園をもっと子育て世帯が気軽に立ち寄れる場所にするための施策や、ベビーカーや小さい子供が歩くときに危なくないような歩行者優先の交通・道路施策、夜になると街灯が少ないなど体感治安が悪いことに対する防犯・治安施策、などなど今後改善していく必要があると考えます。
また、これらに加え松戸市は治安の悪いイメージがつきまとっています。実際あまり良くはないのですが、ヤンキー漫画「カメレオン」の影響や、「実録!炎の警察官24時」といった類のテレビ番組に松戸が必ずといっていいほど出てくる?、など、もはや松戸の治安の悪さはネタにされてしまっています。データを見てみると、松戸市内の刑法犯認知件数は10年前に比べると減少しており、正確な情報発信もしつつ治安施策の充実がますます必要でしょう。MAD Cityとしてもネタとして終わらせるようなことではなく、正確な情報発信に努めたく思います。
MAD Cityの子育て世帯向け物件にお問い合わせください
MAD Cityにおいては、駅徒歩10分以内で江戸川河川敷に行くことができ、自然を楽しむことができるなど、特有のプラスもあります。また入居者は20代から30代がボリュームゾーンで、入居者主催のコミュニティイベントや入居者同士の交流も盛んです。最近では子育て世帯向け物件も数多く取り扱っておりますので、物件検索はもとより、9つの暮らしのサポートなどぜひご覧ください。
また、MAD Cityは病児保育サービスを展開している認定NPO法人フローレンスと提携し、子育て世帯へのサポートを行っております。認定NPO法人フローレンスと言えば、漫画やドラマになった「37.5℃の涙」のモデルとなるなど病児保育という難題に対して、日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスにより取り組まれています。こちらも合わせてご利用ください。(※フローレンスとの提携サービスは現在終了しております)
著者プロフィール
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funahashi taku
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空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/
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