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Let’s TALK 風営法

イベント内容

Let’s TALK 風営法
開催日:2012年6月30日(土) 19:00~21:00
会場:

風営法×クラブは結局わからない、ことがわかった…?!

昨今、大阪の多くのクラブが唐突に摘発されたことで、全国のクラバーや著名な音楽家を巻き込んだ話題になっている「風営法」。この風営法とは何か?どう向き合ったらいいのか?弁護士、アーティスト、まちづくりの専門家、ちょっと毛色の違う3人が集まって時間の許す限り公開討論してみました。自己紹介のあと、会場からの質問に3人が答える形で進んだこのトークイベント、質問のQ&Aにまとめたダイジェストをお送りします。(なお回答部分は3人の発言が混ざっております、ご了承ください)

Q.風営法って何ですか?
A.青少年の健全な育成のため、飲む打つ買うといった、いわゆる風俗を乱す営業行為を規制する法律。いわゆる風俗店、パチンコ屋や麻雀屋、ゲームセンター、さらにクラブも対象になっている。社交ダンスやビリヤードやダーツはかつて対象だったが、今は規制が緩和されたり、規制対象外になっている。規制の詳細は割愛するが、深夜1時(地域によって0時)以降の営業が禁止される。

※ライターより加筆
なおインターネット上の情報では、ダーツは、ハードダーツは対象外になっている。ただしデジタルダーツ(一般のダーツ場にある電子機器型)はゲームセンター扱いで風営法対象らしいです…でも床面積の10%未満なら対象外とみなす警察解釈があるらしいです…もうこの時点でクラブに限らず魑魅魍魎です…

Q.なぜクラブが風営法の対象なのか?
A体が触れ合うダンスはいかがわしい行為とみなされ、風営法が制定された時期(昭和20年代)には売春のきっかけとなったり、昭和50年代に少年非行が社会問題化した際、ダンスをさせるディスコが少年非行と結び付けられた。風俗は時代の変化とともに移り変わるもので、ダンスに対する考え方も変化しているが、現在に至るまで法改正はなされず、風俗営業とされている。

Q.クラブにとって何が問題になっているのか?
A.深夜に営業できない。深夜がメイン営業のクラブにとっては死活問題。クラブに人が集まるのは夕食後の22時以降が通常。24時までの営業ということになるとわずか2時間しか営業できない。またフロアの最低面積が縛られているので、小箱の場合はそもそも風営法の許可が取れない。メジャー志向の大箱以外のクラブが許可をとれないことで、クラブの文化としての多様性が損なわれてしまう。これまで店舗側と警察側とが連絡とり合って、結果的にグレーゾーンで双方落ち着いていたのが、急に摘発されるようになった。

Q.風営法の範囲内で営業しているクラブはどのぐらいあるのか?
A.都内で数店舗というぐらい。もともと全国的に、風営法を取って営業していたクラブはほとんどない。深夜1時以降に営業しているクラブはそもそも、クラブではなく深夜営業の飲食店などで申請している。つまり客を踊らせることができず、躍らせることは犯罪とされる。

Q.客を踊らせる、とはどういうことか?
A.大阪で摘発されたクラブ関係者によれば、警察からは「客のカカトが地面に着いていない」「客の肩が揺れていた」ことで「踊らせていた」と指摘された事例がある。「踊っていない」ということについていえば、別から「壁に足の裏以外があたっている」場合は「踊っていない」とされるという情報もあった。(なおこれらの回答についてはさすがに会場から失笑が漏れていました…)

Q.現在の大阪の状況は?
A.ここ最近で20軒ほどのクラブが摘発された。いわゆる有名どころのクラブはほぼ全滅したと言っていい。警察との話し合い時期に摘発されたというかなり強烈な事例もある。摘発後は、風営法を取って深夜1時までの営業に移行した店もあれば、カフェ的な業態に移行して朝まで営業している(踊れない)店もある。

Q.大阪の場合、どういう経緯があったのか?
A.有名クラブが集まるアメリカ村では、若い人間が深夜に集まることによる騒音や治安印象への問題はもともと一定数あった。地元の町内会が警察に相談する状況ではあった。そして最近、某有名クラブで喧嘩沙汰があり、死者が出る事件が発生し、これが契機で地元から警察への苦情申し立てが本格化し、結果として厳しい摘発が起きたようだ。

Q.その後のアメリカ村で、クラブと地元との関係性はどうなのか?
A.アメリカ村は商業地域だが、若者の集積に陰りが出て、商業的に厳しくなったようだ。摘発がはじまって、むしろ地元の商店街側から、クラブ側への処置を穏便にという要望が警察に出たという話も聞いているが、結果には反映されていないようだ。

Q.特定の警察関係者が関わっているという話もあるが?
A.東京・歌舞伎町の通称「浄化作戦」に関わった警察関係者が、大阪に異動して今回の摘発に関わっているという情報はある。ただ、個人が恣意的に何かをしている、という証左ではない。

Q.大阪以外の地域での摘発は増えているのか?
A.福岡の有名クラブで摘発があったほか、都内でも有名クラブがここしばらくで摘発されている。爆発的に、とまでは行かないが、摘発自体は広がっている感がある。一方で摘発を恐れて自発的に営業形態を変えている店舗も多いようだ。遵法精神といえば素晴らしいが、クラブ経営者の側が萎縮したり回避行動をしているとも言えそうだ。

Q.なぜ警察がそれほど急に摘発を強化したのか?
A.大阪の場合にあるように、クラブと周辺の関係が悪化したり、大きな事件が契機になったことは理由の一つになる。ただこれはこれまで数十年の状況そのものでもあるから、理由はまた別にありそうだ。大阪で摘発されたクラブ関係者によれば、金の流れについて相当厳しく聞かれている。その意味では、ただダンスとかそういうことでなくて、暴力団であるとか、裏社会との関係を警察は気にしているのかもしれない。

Q.ちなみに地元といえば、盆踊りはダンスじゃないのでしょうか?
A.ダンスです。ただし風営法はあくまでダンスをさせる営業を規制するものですから、営業にはあたらない盆踊りが規制された話は聞いたことがありません。

Q.摘発で罰されるのは誰?
A.クラブの経営者側が罰される。踊っていた人はむしろ保護の対象なので罰されはしない。

Q.未成年を入れなければ問題ないのでは?
A.クラブに行くことが多い人なら周知のことだが、すでにIDチェックはかなり厳しくクラブ側でも実施している。風営法の問題は全く別。

Q.クラブとライブハウスの違いは?ライブハウスは風営法の対象?
A.ライブハウスは風営法の対象外。朝まで営業できる。ただし、ライブハウスはダンスをさせていない(ダンスさせてはならない)ことになっている。違いは曖昧だが、ミラーボール、DJブースがあるものはクラブとして扱われるようだ。

Q.レイブやロックフェスティバルなどについてはどうか?
A.レイブやフェスも風営法的には怪しい。警察次第では摘発できる。ただしロックフェスティバルなどは明るい雰囲気があって健全な印象が強く、会場の地元も経済的に共存関係になっているところがある。またスポンサーがついてて規模も大きく、社会的に影響も大きい。これらの理由で摘発される雰囲気がないのだと思われる。ただ、これに習うということで、ただクラブをエンターテイメントとしてPOPなものにしたり商業的にしたり、国が想定するような定義のクラブを作ることは間違っているのではないか。多様なものに権利が認められるべきだ。

Q.深夜営業のメリットとデメリットはなにがあるか?メリットがなければ支持されないのでは?
A.そもそも憲法によって営業の自由は保証されている。メリットやデメリットの問題ではないと理解されるべきではないか。例えば「深夜起きていたら罰される」法律には大多数が反対するはずだが、「深夜起きているメリットがデメリットより大きいこと」を示すのは困難(なぜなら早寝早起きしたほうが良いと思っている人のほうが多いから)。メリットデメリットと法改正を繋げる意見は、実は非常に恣意的。

Q.クラブがなぜ必要だと思うか?
A.社会のガス抜き、ストレス発散みたいな場所でもある。地域のお祭りがもともとそういう「ハレ」の場であったように、はっちゃける場所があったほうがいいのではないか。または様々な音楽と出会える場所として貴重。多様性の確保という側面もあるだろう。

Q.海外に似たような事例はないのか?
A.ニューヨークでもクラブの摘発があった。表で営業しているクラブは社交場のように明るいカフェのようなものだけになってしまった。その裏で、ウェアハウス(家などで行われているホームパーティー)、ブロックパーティー(地域内での身内だけのパーティー)が増えた。悪くいえばアングラにシフトしていったところもある。イギリスだと、地下鉄のホームでサイレントディスコ(FMラジオで曲を流しイヤフォンをして踊る)といった変わり種の試みもあった。

Q.法律は本当に変わるのか?
A.風営法は長い年月のなかでは実際に少しずつ変わっている。警察側でも、現場の人間には現在の風営法に疑問を感じている人もいるようだと聞いた。しかしクラブも健全だとは言いながら、実際に喧嘩沙汰をはじめ、事件が全くないわけではない。法律はいつか変わるはずだが、まだ難しいところがあるのは事実だ。
また今では風営法に限らず、悠長に構えることのできない社会問題が散見される。法律の変化を待たず取り組む選択肢もあるのではないか。最近だと坂口恭平氏の取り組みなど、現行法の枠組みのなかで一人ひとりが行動する方法もあるように思われる。

Q.法律自体を変えるべきか、法律の変化を待たず取り組むべきか。
A.最終的には法律を変えるべき。ただクラブ側で協会のような自主規制などの組織を作るとか、努力もまだまだ必要だ。いずれにせよまだ時間がかかるだろう。ダンスをさせることが悪い、風営法の店舗でないとダンスさせてはいけない、という状況のなかだが、今まさにクラブに関係している人にとっては、現行法のなかで営業方法を工夫するしかないのではないか。

Q.現行法のなかで工夫するとして何ができるのか?
A.警察は摘発の1ヶ月前くらいから写真の撮影など、証拠を集めている。そもそも警察に睨まれないように誠実な行動をすべきであり、できることをやるべき。地元の町会や商店街との関係を良くすることや、暴力団のような裏社会と明確に一線を引くことなど。あとは海外のようなホームパーティー的な、身内限定にした形でのパーティーもこれから可能性があるのかもしれない。

ちゃんと勉強したいという方のために

当日紹介された、WEB上の記事などをご案内しておきます。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
↑法律ですから、まずは条文を読んでみるのが常道ではないでしょうか。風営法の規制対象となっている営業の分類はすぐ第2条に出てくるので、そこだけでも読むと面白いと思います。

「法改正に向けて前途多難な船出」 言葉のソムリエの反省記|カタラーのブログ
↑こちらは筆者が学生時代にお世話になっていた方です。一緒に風営法へのアクションをしていたこともありますが、生々しい体験談が掲載されています

衆議院会議録情報 第142回国会 地方行政委員会 第13号
↑上記ブログに登場する議員の出てくる、国会での委員会の議事録です(社交ダンスが対象外になる際)。実際に法律が変わる際は、こういう議論がなされているということで…

個人的な感想は…グレーゾーンが多すぎる…

当日のトークゲストとして感じたのは、この風営法とクラブをめぐる議論は、深まれば深まるほど会場のテンションが下がるというか、多くの人が興味を失うんだな、ということ。

規制の前提となる「ダンスをする場所は売春の温床だ」といった理解が時代遅れのまま、グレーゾーンが増えてしまった風営法。はっきり言って理不尽なところが多く(「肩が揺れていたからダンス」とか)、客の側からしたら白けてしまって無関心になるんだな…と実感。一方で警察の解釈のなかでクラブ側もそれなりに上手く立ちまわって営業してきた経緯もあって、クラブ側でも一致団結して法改正、、なんてまとまらないんでしょうね。

個人的にはそういった難しさを感じつつ、根本的には法改正のメリットデメリットのところで感じたのだけど、日本人の法律に対する理解があれこれと足りてないんじゃないかとも思いました。法律はそもそも国家の横暴から国民の自由を守る道具だというのが歴史的経緯で、つまり法律の規制は少なければ少ないほうが良いはず。しかし、国が国民を縛るための道具になっていて、どうも日本人の多くもそれで良いと思っている気がしたんですね。あわわ。。

個人的にはそんな世の中には居たくないと思っていて、まちづくりの中で、小さくても多様性が認められる状況が作れたらいいなと思いました。

あとは長い時間がかかるかもしれないけれど、風営法の改正はやはり必要だなと思います。異常な状態が何十年続いているからといって、それを正当化するのもおかしい。イベント名、実はインスパイアということで類似名を使わせていただきましたが、署名活動を行なっている「Let’s DANCE | レッツダンス署名推進委員会 風営法からダンスの項目削除を求めます。」を紹介してレポートを終わりたいと思います。


寺井元一|Terai Motokazu(MAD City)
株式会社まちづクリエイティブ代表取締役。
NPO法人KOMPOSITION代表理事。
1977年、兵庫県生まれ。2001年、早稲田大学政経学部卒業。
2002年にNPO法人KOMPOSITIONを設立。
渋谷を拠点に若いアーティストやアスリートのため、活動の場や機会を提供する活動を始める。
2010年、株式会社まちづクリエイティブを設立。クリエイター層の誘致などソフト面からのまちづくり事業を行っている。





——〈以下は事前の告知時の記事になります〉——
いま話題の風営法。現在の法制度のなかで、クラブ営業を行うことはとても困難です。Let’s DANCEをはじめ、風営法改正を求める動きも目立ってきました。

そんななか、とあるトークイベントででてきた「寺井くん、それってホームパーティやったらあかんの?」という言葉を真にうけたMAD CItyスタッフは、本当にホームパーティのためのスペース「FANCLUB」をつくってしまいました。MAD Cityのローカル・ルール×クローズド・コミュニティでどこまでできるのか。ホームパーティをキーワードに、これからのパーティシーンを考えます!

日時:2012年6月30日(土) 19:00-21:00 ※トークイベント後にアフターパーティーも予定
トーク:大山康太郎(アーティスト/トラックメイカー/プロデューサー)、齋藤貴弘(弁護士)
司会:寺井元一(MAD City)
テーマ:風営法とホームパーティ
入場料:1,000円(1ドリンク&ホームパーティ付き)
会場:FANCLUB
住所:千葉県松戸市本町20-10 ルシーナビル7F
主催:株式会社まちづクリエイティブ

プロフィール:

大山康太郎|Ooyama Kotaro(アーティスト/トラックメイカー/プロデューサー)
奈良県出身。2001年DOPPEL結成後、日本各地のアンダーグラウンドパーティで多数のライブペインティングパフォーマンスを決行する。ネイティブジャパニーズ・ アイヌと、ネイティブアメリカン・ハイダの紋様に見られる共通のセンスから強烈にインスパイアされ、時空を超えたDNAの響き、シルクロードや世界各地に みられる文化の繋がりを、自身の血の内から掘り起こすような紋様作品を多数発表する。一部屋丸ごと描き、古代の寺院から引用した極彩色パターンとLEDライトの組み合わせにより展開する壁画シリーズ「NEXTEFX」では、ハレーションと 光の考察、壁画による空間の操作を実験し、パーティシーンから受けた感覚を昇華している。また、恵比寿にあるGallery&Creative Studio 「SPES-LaB」を主催。「TRY&ERROR」や「Xpress」等、数々のプロジェクトをプロデュースする。これまでに日本各地はもちろん、Portland, San Francisco, L.A, Miami, Bombay等で壁画を多数制作している。

saitotakahiro

撮影:アキコ・バルーチャ


齋藤貴弘|Takahiro Saito(弁護士)
総合的な弁護士業務とともに、柔軟な著作権システムを提案するNPOクリエイティブ・コモンズ・ジャパンで音関係を担当するなど、風営法とクラブ問題の他、多方面で音やアートをめぐる法律問題にコミットする。

寺井元一
寺井元一|Terai Motokazu(MAD City)
株式会社まちづクリエイティブ代表取締役。
NPO法人KOMPOSITION代表理事。
1977年、兵庫県生まれ。2001年、早稲田大学政経学部卒業。
2002年にNPO法人KOMPOSITIONを設立。
渋谷を拠点に若いアーティストやアスリートのため、活動の場や機会を提供する活動を始める。
2010年、株式会社まちづクリエイティブを設立。クリエイター層の誘致などソフト面からのまちづくり事業を行っている。

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