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FANCLUB (1)

地元密着のDIYクラブイベントスペース「FANCLUB」

概要

松戸駅からほど近いビル最上階を松戸の新旧住民の溜まり場にする試みです。DIYにより松戸市内で唯一のクラブイベントスペースが生まれ、20代から60代まで幅広い新旧住民がイベント主催するほか、千葉はもちろん埼玉や神奈川からも来客のあるイベント会場の運営プロジェクトとなっています。

  • プロジェクト名
    • FANCLUB
  • 実施期間
    • 2012年1月~継続中

ストーリー

松戸駅徒歩2分のル・シーナビルの最上階にある、帆船をイメージした丸窓が特徴的なスペース。もとは長年の空き物件だったこのスペースを、まちづクリエイティブが2010年の地域アートプロジェクトの展示会場としてお借りしたことを契機に、2012年からは新住民の交流の場にしようとカフェやミニシアター・コワーキングスペースといった業態を試行錯誤してきました。とはいえ持続可能になることは難しく、業態転換を数年単位で行いながら、まちづクリエイティブ社のスタッフあるいは入居者のクリエイターなどが各種イベントを主催して維持されていたものです。

こうしたなか、地元関係者を交えた改装や機材設置を経て、かつて青春時代をディスコで過ごした50代~70代の地元住民もディスコイベントを定期開催するようになりました。また松戸で10代20代といった若い世代にHIPHOPが浸透し、駅前デッキでのサイファーなどが出現するなか、その関係者がイベント主催をすることでHIPHOPイベントの会場としても認知されるようになっています。

今では地元ディスコの関係でダンスレッスンが行われたり、あるいは市議会議員としてNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのDELI氏が活躍するなどといった潮流もあり盛り上がりを見せる松戸および周辺エリアのHIPHOP関係者の拠点となっています。

成果

小規模ながら駅至近の小箱として、イベントスペース貸出を行い、多くのディスコあるいはクラブイベント、時にはトークイベントなどの会場として利用されています。

FANCLUB (2)

手法

できることから業態を模索する

多くのまちづくり活動で溜まり場が求められる一方で、そういった場所を民間努力で維持することは簡単ではありません。FANCLUBの沿革はその悩みと一体のものでした。キャンドルアーティストともにカフェを運営、あるいは東京圏のベッドタウンだけに夜の利用を想定したコワーキングのバーを自社運営、あるいは興行法に抵触しない頻度での映画上映など、できることから試行錯誤して業態を変えてきたことが、いまに繋がっています。

与件を活かして小さな投資で始める

試行錯誤する際に大きな障壁になるのは、圧し掛かる初期投資です。度重なる業態転換にあたっては、場所が当初から持ち合わせていた要素をできるだけ活かすことで投資を低減してきました。居抜きで残されたキッチンの活用はもちろん、直下フロアがビルオーナーの事情で普段は低利用になっていることから防音工事なしに音楽イベントや映画上映の会場として使用したことなど、「もともとあったもの」に注目することで実現してきたものです。

地元関係者とアソシエーションを築く

まちづくりでは新たな人的資源に注目する必要がありますが、それはエリアに移住した新住民と旧来からの地元民との軋轢のはじまりを意味してもいます。まちづクリエイティブが考えているのは、新住民が単に既存の町内会組織に入るコミュニティ同化ではなく、新住民が旧住民とともに新たな関係性をつくるアソシエーション創出が重要だということです。FANCLUBはこの点、DJや音楽、ダンスカルチャーを通じた地元の年配者との接点が生まれた実例です。

文化創出と持続可能性を追求する

スターバックスが最大のコーヒーチェーンとなり全国にひしめく現在では、地方であっても小売や飲食の分野であらゆるチェーン店が進出しており、この点で地方に住まう課題はありません。しかし娯楽や文化の面では、地方は大きく不足しています。FANCLUBは松戸市内で唯一のクラブイベント会場として10年以上存続していて、地元アーティストの活動を支えており、ディスコやHIPHOPの拠点として文化的な存在意義を持つようになっています。

メンバー

sak_rice
地元関係者(非公表)
株式会社まちづクリエイティブ

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