魔法の館

中世ヨーロッパ、黒猫、赤レンガ、洋館、長くてとがった鼻をした老婆。なんとなくカテゴライズされているこの言葉の雰囲気にピンと来た方はチャンスかも！

なぜなら今回の賃貸物件はそんな怪しさ（？）を秘めたテナントだからです。細かい理屈は抜きにして、ここから先はイメージを膨らませながらご覧下さい。

見上げると、ずっしりとした赤レンガと濃茶色の壁。建物の傍からのぞくと、背後を覆うのは深く茂った木々。どこからともなく姿を現した黒猫が、館に足を踏み入れようとする客人をじっと見つめます。

建物の隅には、まるでグレムリンが羽を休めていそうな、尖った矢じりの重厚な門扉がお出迎え。ヨーロッパの古い洋館を思わせる入り口をくぐり、薄暗くだだっ広い階段をのぼった所に、そのお部屋はあります。

・・・なんだか不気味な雰囲気ばかりをご紹介していますが、ご心配なさらずに。お部屋の中はシンプルなスケルトン。独特な間取りをしていて、角が多いお部屋なので、使い方次第でうまく活用できそうです。

階段をのぼって手前側にある大きなお部屋は、道路に面した部分がガラス窓になっていて、なんとも開放的で日当りが良い。そしてその奥にある少し小さなお部屋には、これまた大きなガラス窓が。外には木々が生い茂り、緑の壁が一面に広がります。

現在は2部屋に区分されていますが、用途によっては壁をぶち抜き、1つのお部屋として使うことも可能。2部屋合わせて90㎡ほどの広さがあります！

マンションの1階部分には、使われていない小部屋がいくつかあり、物置などとして使わせていただくことも可能（有料です）。

ついでマンションのオーナーさんが実はシンガーで1階部分に小さな防音室があったりします。こちらもオーナーさんにご相談して利用させていただけるかもしれません！

何より嬉しいのは駅からの距離。駅から徒歩3分の魅力はやはり捨て切れません。

上階に住居があるため、飲食店は不可となってしまいますが、個性を全開にしたいアトリエやショップにはぴったり。例えば、江戸時代から続く工芸品職人さんのアトリエや、輸入雑貨屋、古着屋などなど。ここにあるだけで、強烈なイメージを町に放つことは間違いありません！

独特の雰囲気をまとっている外観に、防音室や倉庫などレアなオプションが付いてくるこの物件。これらの要素を頭の中の鍋で煮込んで、夢という魔法をふりかけると、あら不思議。そこにはあなただけの魔法の館が完成するはず。

「正直は最良の政策」という中世の作家ミゲル・デ・セルバンテス（ドンキホーテの作者）の言葉通り「とにかく私はこうありたい」というGoing my way の精神を貫いている方、館の主としてお待ちしております。

［text:澤木香織］