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【 勝手に映画紹介】MAD Cinema上映中「マヤ-天の心、地の心-」
イベント内容
【 勝手に映画紹介】MAD Cinema上映中「マヤ-天の心、地の心-」会場:
なにせタイトルが「マヤ-天の心、地の心-」だ。実は観る前から勝手に、マヤ文明のことをディスカバリーチャンネルばりに解説する映画かと思っていた。マヤ文明の遺跡の風景が楽しめるのかな、終末論で有名なマヤ暦について取り上げていたりするのだろうか、そんな漠然とした気持ちでこの映画を観た。観てビックリである。実は、この映画にはそういう「メジャーなマヤ」は基本的に出てこない。おまけに、どうにも内容がまとまっていない映画なのだ。しかしながら結論としては、観る価値のある映画だ。つまりこれは一種の怪作である。
いったいどんな映画というと、「現代のマヤ」をそのまんま映像に収めてぶち込んだみたいな映画なんである。出てくる人はほぼ全員マヤ人の末裔で、○○族の××、といった具合だ。ある女の子はトウモロコシを収穫している農家で、ある男の子は山の中の集落で昔ながらのマヤ族の暮らしを守っている。ところがトウモロコシ農家の女の子は親友と畑の片隅で井戸端会議をしている…かと思ったら先祖の霊を降臨させていて、一緒に畑で働く仲間の一人はゲリラ組織のサパティスタの一員であったりする。マヤ族の暮らしを守る若者は満ち足りているのかと思いきゃ、どうにも目が死んでいる。全体的に、何かおかしい。
そう、これは現代のマヤで暮らす「ごく普通だけど特別でもある、ただのマヤ人」を撮り溜めた映像なのだ。ハリウッド映画のヒーローのような特別なストーリーはない。淡々としているけど、どこか独特な日々がスクリーンに映されていく。ただし今のマヤ人たちが、ひどく現代的な事情に振り回されている様子は浮かび上がってくる。また、マヤの伝説や言い伝えが随所に出てきて、マヤ人の価値観が垣間見える。実はこれが「神」なるものに言及しているのだが、これまたなんかおかしな感じなのだ…(マヤの神様がどうも自己愛が強すぎるのは映画を観てのお楽しみ)。
そんなわけで、この映画の面白さは百人百様だ。スタッフも各々、面白がる場面がひどく違っていて、ピンポイント。かつ、シュール。あのシーンの音楽が…あのシーンのこの登場人物の表情が…まるで映画の楽しみ方選手権である。誰が観ても同じ面白さを語れる映画もあるけれど、こういう、観客が自分なりの面白ポイントを探す/探さざるを得ない映画も時には良いのではないか。一般的な娯楽作とは言わない。しかし観た人間同士で思わずマヤ話(これがまた、いわゆるマヤ話にはならない…)になることは請け合いの怪作であり快作である。というわけで「マヤ-天の心、地の心-」、人生で一度は観るべきだ。ぜひスクリーンで楽しんでいただきたい。
MAD Cinemaの上映スケジュールは MAD Cinema をご覧ください
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