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アトリエミルクルの記憶 後編
※このコラムはMAD Cityの元入居者に寄稿いただいています。古民家スタジオ 旧・原田米店にて2014年の3月までアート教室アトリエミルクルを開校されていた、代表・鈴木美穂さんが、MAD Cityでの記憶を写真と共に振り返ります。
前編はこちらをご覧下さい。
松戸祭り ちんどんパレード
毎年秋に松戸駅界隈で開催されている松戸祭りにて、ちんどんパレードを披露しました。
着られなくなった服をアレンジし衣装を制作、楽器は使えなくなった鍋の蓋をシンバルに、バケツとラップの芯を使って太鼓に、缶や鈴も楽器にして様々な廃材の個性的な音が入り交じりカラフルで楽しいパレードとなりました。
市民ギャラリーでの作品展
毎年、年度末の3月に一年間の集大成として作品展を開催しました。会場は松戸駅の東西連絡通路沿いの市民ギャラリー。個人の作品と共同制作を並べ、家族や友達だけではなく、地域の方々にも気軽にご覧いただけるオープンな場として利用させていただきました。
ご覧いただいた方から「明るく温かい気持ちになった」というような声もいただき、とても嬉しく思いました。
ミルクルマーケット
アトリエを会場にMAD Cityで活動する仲間と共に、手づくり市を開催しました。ハンドメイド雑貨をはじめ、無農薬野菜、自家焙煎コーヒー、焼き菓子、手づくり石鹸など充実したお店が並び、子どもから大人まで楽しく参加できる場となりました。
夢が実現できる街
「こんなことしてみたいな」と呟くと、周りにいる仲間達が「いいねいいね!」と賛同し、手を貸してくれ、どうにか実現させようと一緒に考えてくれます。一人ではできない大きな夢も小さな希望も、MAD Cityでは「やってみようよ」と背中をポンと押してくれ、動くきっかけを与えてくれるのです。
「夢が実現できる街」というのは大げさかもしれませんが、夢を実現させようとする人が集まりチャレンジする姿をたくさん見かけることができます。壁にぶつかった時は相談できる機会や環境も周りにたくさんあります。勿論全てがうまくいくとは限らず、少なからず私もたくさん失敗したし、悔しい思いもしました。しかしそれが大きな経験となり自分の財産となりました。MAD Cityで過ごした3年間で、アトリエミルクルの基盤が出来上がったように思います。一人ではとてもじゃないけど出来なかったこと。支えてくださった仲間達や地域の方々、そして教室に通ってくれた子ども達や保護者の方々、イベントに参加していただいたお客様、たくさんの力を借りてつくりあげていくことが出来ました。
この培ってきた基盤を元に、今後は生まれ育った地元、千葉県市川市に拠点を移しアトリエミルクルの活動を続けていきます。また松戸市でも月に2回、松戸駅から徒歩5分の学童ルームにて教室を続けていきます。
これからもMAD Cityでどんな夢が実り育ち、そして羽ばたいていくのか楽しみです。かけがえのない時間をありがとうございました。
著者プロフィール
プロフィール
鈴木美穂
- こどもアート教室アトリエミルクル代表。2011年7月〜2014年3月に旧・原田米店商家をアトリエにアート教室を開設。現在は市川市を拠点に活動中。“ひとりひとりのカラーを鮮やかに!”をモットーに子ども達の持っている才能を最大限に引き出す自由な表現の場をつくることを目指している。http://atelier-mirukuru.com/
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