魅力のギャップ

物件選びは時に恋人探しに例えられることがあります。不動産は新築や中古、購入や賃貸に関わらず全く同じお部屋は世の中に2つと無く、また自分が住みたいと思った時に出会える物件の数も限られているもの。

つまり路線価や坪単価というある程度、価格の目安があるものの最終的には「好き嫌い」「運とタイミング」で決まることが多いからです。

だとすると魅力的な人間と魅力的な物件には共通の要素があるはず。例えば見た目と中身の「ギャップ」なんかもそのひとつではないでしょうか。

今回ご紹介するのは昭和48年築のリノベーションマンション。お察しの通りそのギャップがなんともたまらない一室です。

キノコ型の屋根にL字の廊下という昔ながらの造りから感じるのは昭和の雰囲気。決して新しくはないが、大規模修繕などのメンテナンスが行き届いた外観からは長年雨風にさらされながらも、それがかえって味となっている風情を感じることができます。

室内に一歩入るとそこは別世界。目に留まるのは2DKの間取りの中で可能な限り考えつくらされた機能性とデザイン性です。

玄関は西洋風のレンガで造られた壁面に、ライン状のガラスが入った扉。特にお金をかけなくてもいいところなのに、ちょっとした工夫がされているため毎日の帰宅が少し優雅な気持ちになります。

DKにあるキッチンはこのお部屋の中でもかなりオススメポイント。3つ口のコンロに食洗機付き、さらには浄水器内蔵ノズルまでついており、キッチンにおける三種の神器は全て取り揃えてあります。

またDKは洗面所にも他の2部屋につながるジョイント的な役割を持つお部屋のため扉の数が多いですが、どの扉も重ならずキレイに開けられます。こうした点にも設計者の気遣いが見てとれますよね。

DKを抜けて入れる洋室にもその気遣いはバッチリ。クローゼットは移動式で、折りたたんだ扉を左右どちらにも稼働でき、ベッドやTVなどの家具を置くスペースの自由度も広がります。

水回りも隙がありません。浴室は追い焚きはもちろんのこと、ゆったり入れるサイズのバスタブがちゃーんと用意されてますし、トイレはウォシュレットは言うまでもなく、壁面につかわれたブラックの壁紙がオシャレだけど華美すぎず、万人に落ち着きのトイレタイムをお届けしてくれます。

最後にマンションの管理体制も良好。エントランスには防犯カメラがありますし、集合ポストもリニューアル済です。

マンションにしては珍しく町会の回覧板が回っているところを見ても、地域との関係性を粗末にしていないことが伝わります。

説明したいことが多すぎるのでおまけのような言い方になってしまいますが、駅からは徒歩9分という距離に890万円という価格も言わずもがなの魅力です。

決して最新の外装はしていない。だけど室内のデザイン、機能性に心配りが感じられ、そしてマンション全体の運営体制に安心感が感じ取れる物件。

美男美女は3日で飽きると言われるように、人間も物件も見た目より中身という方。気が利いてて安心な本物件に出会えたのも何かの偶然。直感的にピピピと来た方、くれぐれも運と縁が大切ですのでご内見はお早めに。