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madcity.jpの中の人インタビュー ―まちと「プロボノ」の関わり方をちょっと覗いてみた―(前編)
madcity.jpの中の人たちってどんな人?
みなさんは「プロボノ」という言葉をご存知ですか?
少し調べてみたところ「社会人が自らの専門知識や技能を生かして参加する社会貢献活動(詳細はこちら)」だそうです。ボランティアの一種ですが、まあ、聞いてもぼんやりとしたイメージしか浮かばないですよね。
このたび、madcity.jpにプロボノとして関わっている舟橋さんと内藤さん、東久保さんの3人にインタビューしてみました。madcity.jpの記事を書いてくれている、いわゆる「中の人」がけっこう居るなかで、記事はもちろんのこと、書いている人そのものの魅力をもっと知ってもらえたらいいね、という企画です。
プロボノのみなさんのMAD Cityとの関わり方や、普段されているお仕事、または興味分野をお聞きして、その関わり方について多くの方に知っていただくきっかけになればと思います。
プロボノメンバーの自己紹介
――それでは舟橋さんから自己紹介をお願いします。
舟橋:普段は東京都の職員として働いています。職場の研修で空き家活用や空き家問題について学ぶ機会があり、それをきっかけに2012年くらいから自分で空き家について調べるようになりました。
2014年の春から「空き家の活用で社会的課題を解決するブログ」を書き始め、全国の空き家活用事例の紹介や空き家問題の現状や課題などをテーマに記事を作っています。その中でいろいろ調べているうちに、改装可能・原状回復不要な変わった賃貸物件を使ってまちづくり事業に取り組んでいるMAD Cityプロジェクトを見つけました。その後、MAD CiyのDIYリノベのイベントや代表の寺井さんの講演に参加したりして、ブログでちょこちょこレポート記事なんかを発信していました。そんなこんなで寺井さんとつながりが生まれ、2015年の5月頃に、寺井さんから「madcity.jpに関わったらもっといろいろと現場の情報に触れられると思うんだけど、記事を書いてみないか」と誘っていただき、6月から記事を寄稿させてもらっています。
――空き家以外にも興味関心のあることはありますか?
舟橋:行政で働いていることもあって、ソーシャルビジネス全般には興味があります。病児保育で有名な認定NPO法人フローレンスやセルフ健診のケアプロ株式会社など、公共的な課題に対し、民間の事業者が解決の担い手として活躍しているということに興味があります。空き家活用や空き家問題の解決もソーシャルビジネスのひとつだと思っています。
――ありがとうございます。次に内藤さん、お願いします。
内藤:都内のITサービス企業で営業企画をしています。仕事で海外や九州などに住んでいたことがあるのですが、そのときに訪れた別府の混浴温泉世界や、北京の798芸術区などで、「コミュニティ」と「アート」に興味を持つようになりました。
いま住んでいる松戸でも、MAD Cityというプロジェクトがあるということを知り、MADマンションのツアーなどのイベントに参加したりして関わりを持ってきました。自分が関心を持つ領域で、仕事で携わることのあった「マーケティング」や「Webライティング」の力をどこまで活かせるか試してみたいという思いから、2015年12月に寺井さんに話を持ちかけ、プロボノとして活動するようになりました。
「コスパ」について熱く語る内藤さん(右)。「夜の散歩をしないかね。(夜のMAD Cityを歩いてみた)」などは内藤さんならではの企画に違いありません!
――最近は、他にどんなことに興味がありますか?
内藤:IT化がおよぼすライフスタイルの急速な変化に興味を持っています。有名どころでは、Airbnbをはじめとする人の家をちょっと間借りする、いわゆる民泊。宿泊業態のみならず旅行や不動産のフォーマットを変えていっています。また、Uberの登場は、タクシーなどの配車サービスの業界そのものに影響を与えてますよね。自分の専門分野であるITサービスを軸に、こういった変革の一環に関わっていきたいです。舟橋さんを「空き家の舟橋」とするなら、「ライフスタイルの内藤」と呼んでください(笑)。特にライフスタイルの変化を観察する上で大事にしてるのが「コストパフォーマンス」です。
――内藤さんにとって「コストパフォーマンス」というのはどういったものですか?
内藤:人間の持っているリソースには残念ながら限りがある。例えば、時間やお金、さらには体力や気力ですね。リソースを節約して、それを自分が楽しいと思えるコトにできるだけ突っ込もう、というのがぼくにとっての「コスパ」です。IT化することによってコスパの計測と追求が簡単になったことが生活の変化を後押ししてると考えています。
――最後に、東久保さんお願いします。
東久保:実はあんまり自分のこと語るのは好きじゃないんですが(笑)、ITサービス企業でマーケティングや分析の仕事をしています。松戸に住み始めたのは2014年の3月からです。2015年12月に「松戸NOTE」というウェブサイトを作り、松戸の情報を掲載しています。2016年1月にプロボノとして参画するようになりました。「松戸NOTE」を作ったきっかけは、松戸は便利でいい街なのだけど、それが認識されていないのがもったいないと感じたことです。
また、マーケティングの仕事をしているのですが、規模の大きな会社なので、全体に関われないことをもどかしくも思っていました。「自分で作ったサイトなら全てに関われる」と感じ、自分の力で松戸をどれくらい盛り上げられるかを試してみたいと思ったことも理由のひとつです。また、以前「場の場」という、主に都内のイベント情報を掲載しているサイトを妻と作った経緯があり、その松戸版を作りたいという思いでやっています。
――もともと松戸にお住まいではなかったということで、松戸に住もうと思った理由も教えてもらえますか?
東久保:妻の実家と職場の間を取って、利便的だったからですね。人口や通勤時間、治安、学習環境などいろいろなデータを総合的に考えてです。内藤さんの話じゃないですが、コストパフォーマンスが大事ですね(笑)
――MAD Cityとの関わりはどこからでしたっけ?
東久保:「公共空間の使い方」のトークイベントのときです。江戸川の河川敷でバーベキューをやったあとのイベントだったと思います。MAD Cityのことを知っていて、興味もあったのですが、自分から飛び込んでいくタイプではなく、踏み出すタイミングもなかったのですが、トークイベントぐらいなら行ってみようと思って顔を出したのがきっかけですね。
トークイベントを機に関わりを持つようになり、「自分のメディアだけでは限界があるので、MAD Cityのコネクションを使って、さらに松戸を盛り上げられないか」と思い始めました。そんな中、みなさんと飲んでいるときに、内藤さんに勢いで巻き込まれちゃたという感じです(笑)。
――東久保さんの興味分野についても教えてもらえますか?
東久保:オフラインの行動のデータ化に興味を持っています。IOT(Internet Of Things:モノのインターネット)が普及することで、電気やテレビがついている時間帯などを、スマートフォンを通して知ることができるなど、モノの情報をデータで管理できるようになるといった取り組みですね。
――IOTはITと社会の次世代の接点になりつつある気がしますね。
東久保:データを取られることは、ネガティブに捉えられることもありますが、ポジティブな面もあります。そこには注目していますね。例えば、最近ではLINEがbotAPIというサービスを始めました。botとトークをすることで今日の天気や飲食店の情報を仕入れたり、IOTのサーバーと連携して家電のスイッチをつけたりすることができるというものです。サービスの提供側から見ると、顧客のデータや需要を知ることができます。一方ユーザー側にとっては、今どういう状態なのかを理解されたうえで適切な情報やサービスが届けられるようになって、より便利になっていくはずです。双方にとってメリットのあるデータビジネスやマーケティングの可能性に期待しています。
続きをお楽しみに!
ここまでお読みいただきありがとうございました。次回は3人がmadcity.jpにどんな関わり方をしていて、どんなことを考えているかを伺っていきます。更新日は、2016年6月17日(金)を予定していますのでお楽しみに。
またMAD Cityでは随時、プロボノなど関わってくれる人を絶賛募集中だそうですよ。この記事を読んで「MAD Cityに関わりたい!」という人が現れてくれたら、筆者としては嬉しい限りです!
ご興味ある方、まずはイベントなどにぜひ遊びにいらしてください!
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