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夕暮れどきの西口公園。老若男女の憩いの場になっています。

公園の可能性 →ビアガーデン・教室・ライブ会場・体育館・美術館・その他にも使えるかも|公共空間を大いに使う!(公園編)

公共空間を大いに使うvol.2

公園や道路、河川敷、ビルやマンションの屋上など個人に属さない公の空間、つまり公共空間を大いに使うことで、逆説的ですが私的空間(自分のための空間)を良くする・楽しくすることができるはずです。

MAD Cityでは、商店街の道路を封鎖して路上で各店おすすめメニューやお酒を楽しむ路上宴会江戸川の河川敷でバーベキューマンションの屋上でビアガーデンなど、公共空間を使ったイベントを多数仕掛けてきました。この「公共空間を大いに使う!」シリーズでは、MAD Cityで実際に行っていたり、周辺で起きている公共空間の利活用の取り組みをご紹介していきます。今回は公園編です。

第1弾の河川敷編はこちらをご覧ください。

公園は何のための場所?

公園というとどんなイメージを持たれていますか。老若男女に開かれた、憩いや交流、そして遊ぶ場所でしょうか。実際のところ公園といえばとかく禁止事項が多く、何のための場所なのかがわかりにくくなりがちです。

寝泊まりすることやゴミを捨てること、喫煙などは当然禁止というのは分かりますが、こちらの記事によると、「合唱」や「漫才の練習」、「フライの練習」など妙に具体的な行為を禁止しているケースが多く見受けられます、と指摘しています。

野球やサッカーなどボール遊び禁止の標識はよく見かけます。

野球やサッカーなどボール遊び禁止の標識はよく見かけます。(画像引用元)

今回の記事の舞台である西口公園の標識は比較的、常識的な禁止事項が書かれてありました。

西口公園では割と常識的な注意書きです。

西口公園では割と常識的な注意書きです。

公園は禁止に禁止を重ねてきた公共資産

公園はいったい何のための場所なのか。この問題については木下斉さんの記事やツイートが参考になります。つまり、日本の公共資産は、ある一部の人たちの反対があればその反対を聞き入れ、禁止に禁止を重ねるという「排除の上に成り立つ公共性」により戦後一貫して運用されてきたと指摘されています。

ある一部の人のたちの反対があれば、その反対を聞き入れ、禁止に禁止を重ねていった先に、最終的に「誰もあまり文句を言わないという意味での公共性を確保する」、といった運用になってしまいました。
なぜ日本の公園は、あれもこれも禁止なのか

一部の人の利益を優先させていった結果、公園という公共資産が誰にとっても中途半端な使い勝手のわるい場所になっしまっている現状があります。

公園に禁止事項が増えるのは、狭い土地に大勢の人が住んだり、お店を構えたりしている日本の土地事情も多分に影響していると思います。公園の近隣住民や店舗からの苦情が公園管理者(多くの場合は役所)に入り、その苦情の声を反映していった結果、禁止事項が増えていくのではないでしょうか。

つまり、一部の利害関係者の声が公園運営に影響を及ぼしているということです。これは裏を返せば、公園管理者に対しもっとポジティブに公園を使いこなそう、という要望や意見、提案があれば、その声を反映してくれたり、サポートしてくれる可能性もある、ということです。(実際には、苦情とポジティブな意見が同数あっても、一般的に役所に連絡が届くのは大半が苦情に偏るので、現在のように禁止事項だらけの公園ができあがっていると推測できます)

「ビアガーデンだよ!西口公園」の開催

さて、松戸駅前では、公園を本来の意味で皆に開かれた、そして管理運営も皆で分担しながら行い、特色あるイベントやプロジェクトを自律的に発信していくような、そんな取り組みが松戸駅西口のダイエー前の西口公園で始まっています。

いつもの西口公園はこんな感じです。

いつもの西口公園はこんな感じです。

この夏、松戸まちづくり会議・本町自治会・根本連合町会・松戸市文化観光課がコンソーシアムを組み、西口公園を”皆が立ち寄れる広場に”変えていく実験的な取り組み「西口公園プロジェクト」がスタートしました。

松戸駅西口のダイエー前の西口公園をみんなが集まり、楽しめ、会話が弾む、そんな公園づくりを目指して、松戸まちづくり会議、公園周辺町会・自治会、文化観光課がコンソーシアムを組み、様々な試みの社会実験プロジェクトを開始します。
西口公園プロジェクト

この取り組みの第1弾企画として2015年8月2日(日)・7日(金)の2日間、西口公園を会場に「ビアガーデンだよ!西口公園」が開催されました。

「住民が主導して本来の公園のあるべき姿を考え構築しよう。」

当日(8月2日、7日)は猛暑の中、初日は延べ300名、2日目は延べ250名のお客さんがいらっしゃいました。著者は2日目に参加したのですが、子供や女性といった普段、西口公園に立ち寄らないような人たちまで集まっていたのが印象的でした。

子供連れのお母さん方が気軽に立ち寄ってきていました。

子供連れのお母さん方が気軽に立ち寄ってきていました。

飲食出店ブースの他に、子供たちが喜ぶシャボン玉遊び、駄菓子屋、音楽ライブ、ベリーダンス、と様々な出店や出し物が登場しました。この日は平日のアフターファイブということもあり、松戸駅前のオフィスに勤めるサラリーマンやOL、そして隣のダイエーに夕飯を買いにきた子供連れの方などふらっと立ち寄られたケースも多かったように思います。

そもそも今回の西口公園プロジェクトは松戸まちづくり会議や本町自治会、根本町会連合会といった地域住民の有志が主体となって、「住民が主導して本来の公園のあるべき姿を考え構築しよう。」という狙いを持ってスタートしたそうです。そして、そうした地域住民の主体性をサポートする形で松戸市文化観光課が関わっています。8月はビアガーデンでしたが、今後はオクトーバーフェスト、忘年会、オーストラリア祭り……といった企画が議論されているようです。

主催としては初日と二日目でターゲットを分けて考えておりましたが、当方の想定に反して両日ともメインのお客様は「近隣にお住まいの方」「お子様連れのファミリー層」で賑わっておりました。この点は次回以降の主催思考に大いに反映させて、より皆様にお楽しみ頂ける催しごとになるよう繋げて参りたいと考えております。
松戸まちづくり会議ウェブサイトから

「継続しないと意味がない。」

当日、西口公園プロジェクトの関係者の方々、つまり町会や自治会の関係の方々にお話を伺う機会を得ることができました。皆さん共通しておっしゃっていたのが”継続性”でした。テーブルや椅子・ランタンなどに広告を出して収益を出し、そのお金でビアガーデンなどのイベント開催費用にあてるという、事業としてこのプロジェクトに取り組んでいきたいとのことです。

テーブル、椅子、ランタンに広告を出し、事業としてプロジェクトを継続させていくという狙いがあります。

テーブル、椅子、ランタンに広告を出し、事業としてプロジェクトを継続させていくという狙いがあります。

昔の西口公園は柏や上野からやってきたホームレスがベンチに住み着いたり、鳩のフンやゴミの不法投棄など負の問題が山積していたようです。こうした衛生面、防犯面の問題解決に少しずつ取り組み、最近では2010年に西口公園近くの根本壁画通りに作品を残したストリートアーティストのZEDZ(ゼッズ)さんが再び来日し西口公園のトイレに壁画を制作するなど、今の西口公園にはアート的な一面も加わりました。

シャボン玉発生器の側で戯れる子供たちの後ろにあるトイレがZEDZさん制作です。

シャボン玉発生器の側で戯れる子供たちの後ろにあるトイレは、ZEDZさんによりペイントされた作品でもあります。

松戸駅西口駅前という好立地、周囲を高い建物に囲まれている、狭すぎず広すぎない公園、などという特徴を活かし、世代や地域を越えてあらゆる人たちが気軽に立ち寄れる場所にこれからなっていけば、本当の意味での公園に近づいていくのではないでしょうか。

住民が主体性を持って継続的に公共資産を使いこなす3つのポイント

今回のビアガーデンイベントを通して、公園の利活用のヒントが3つ見つかったと思います。それは一言でいうと「住民が主体性を持って継続的に公園を使いこなす」ということです。以下、順にまとめます。

  1. 公園の利活用の中心には地域に住む住民の存在が重要だということです。西口公園プロジェクトのメンバーは松戸まちづくり会議の有志が参画しています。イベント運営会社でも、ましてや役所でもなく、地域住民が中心になることが重要です。
  2. 実験的な活動を行政の規制緩和につなげることです。西口公園プロジェクトは松戸まちづくり会議と公園周辺町会・自治会、そして松戸市文化観光課との協働による社会実験プロジェクトです。これまでの、公園の禁止事項の増加が近隣住民の苦情の反映ならば、公園をポジティブに利活用しようという住民の動きは、禁止とは真逆のポジティブな公園運営に反映させることができるはずです。
  3. 一過性の打ち上げ花火に終わるのではなく継続させることが重要です。そのためには補助金に頼らず収益を得て事業に還元していく必要があります。今回のビアガーデンの開催にあたっては机や椅子、ランタンなどの備品の調達費用を賄うために、浜友観光やミヤザワホーム、MAD Cityなど近隣で事業経営している組織や会社から広告収入を得る努力がなされていました。

MAD Cityでは公共空間の利活用に取り組んでいます

松戸まちづくり会議の立ち上げ事務局を担ったMAD Cityでは、アーティストの内海昭子さんによる巨大なクレーンからスズランテープをつるすアート作品(インスタレーション)や、「101人ライトドローイング」というアートイベントなど、さまざまな実験的な活動を公園で実現させてきました。今後も公共空間のポテンシャルを発揮させる取り組みを、民間企業の立場からも行っていきます。こうした利活用の取組を、クラウドファンディングを通じて企画中です。ぜひご支援ください。

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