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「女の寺子屋」をつくりたい!松戸駅前に新しく着付け教室「Respirar(レスピラール)」がオープン
松戸駅東口のレトロマンションに松戸の着付け教室「Respirar(レスピラール)」がオープン
先月、松戸駅から徒歩5分の所にあるMADマンションに着付け教室「Respirar(レスピラール)」がオープンしました。1日2時間×全8回の「初心者さんの着物レッスン」や、全3回の「礼装コース」、1回のみの「着物体験コース」などのメニューが用意されています。着物を持っていない方でも大丈夫、着物や帯は無料レンタル出来ます。入会金は不要で、レッスン料以外の追加料金もありません。料理教室やヨガ教室と比べて、着付け教室はなかなか敷居が高いと感じる方も多いかもしれません。そんな着物初心者さんは、まずは気軽に「着物体験コース」(1回のみ90分で¥1,500)から受けてみてはいかがでしょうか?
松戸の着付け教室「Respirar」のレッスンメニューはこちらから
2015年11月初旬に松戸駅東口徒歩5分のレトロマンションの一室に、着付け教室「Respirar」がオープンしました。ウェブサイトはこちらから。(画像引用元)
生徒一人ひとりに合ったきめ細かい着付けレッスン
着付け教室のレッスンの様子は、着付け講師・まる子先生のブログで紹介されています(なぜ「まる子」というニックネームなのかはこちらをどうぞ)。マンツーマンでのプライベートレッスンか、2〜3人のグループレッスンが主ですので、生徒一人ひとりに合ったきめ細かい着付けレッスンが出来ることがポイントです。
着付け教室のレッスンの様子。生徒さんの都合に合わせてマイペースでのレッスンが可能なのが個人教室の良さです。(画像引用元)
リラックスしてレッスンが出来るように
エレベーター無しの5階建てというレトロマンションですが、待合室にソファーを用意したり、和室と洋室との融合を目指したインテリアをコーディネートしてみたり(まる子先生は20代の頃は照明メーカーに勤めてインテリアの仕事をしていたそう)、床は国産100%のい草を敷いたり、リラックスしてレッスンが出来るような空間づくりをなされています。
リラックスしてレッスンして頂きたいし、ゆったりと寛いだ雰囲気の中で過ごして頂きたいというのが教室のコンセプトでもあります。
まる子先生は20代の頃、照明メーカーに勤めインテリアの仕事をしていました。教室の内装のコーディネートにその経験が活かされています。(画像引用元)
着付け講師・まる子先生にインタビュー
今回、着付け教室がオープンされたということで、着付け講師のまる子先生に色々お話をお聴きしてきました。この日、着物姿でインタビューに応えてくださったまる子先生。着物の魅力や着物教室をオープンするに至った経緯、着付け教室の今後の展開などについてお話してくださいました。
まる子先生は、あの假屋崎省吾氏(草月流)に6年間程師事していたそうで、お花でも生徒さんをおもてなしされています。
−着物の魅力とはどのようなものなのでしょうか?
まる子先生:着物の魅力はまず、季節感が出せておしゃれであることです。TPOに合わせて帯や小物も変えたり出来ます。今日の着物は12月が近いということで、クリスマスのイメージです。
次に、着物を受け継いでいくということです。今日の着物は実は旦那さんのお母さんの着物なんです。着物を受け継ぐことは、日本の文化を次世代に伝えていくことでもあります。
3つ目は着物を着ることそのものを楽しむということです。正直、着物を着るのは手間も時間もかかります。手入れも含めて。しかし、その手間や面倒くささといったもの、つまり着物と向き合う時間そのものを楽しんでくださったらなと思います。
−着付け教室の名前「Respirar」とはどういう意味ですか?
まる子先生:カフェにお茶しに行くような感覚で、着物という日本文化に触れてもらえたらと思って、教室名を「Respirar(レスピラール)」とつけました。Respirar(レスピラール)とはポルトガル語で「ほっとする、ほっと一息つく」という意味です。堅苦しさ・敷居の高さをとりはらった空間で、寛ぎながらほっと和めて、リラックスしてレッスン出来る着付け教室を目指しています。
和と洋の要素を融合させたお部屋のコーディネート。着物というと和のイメージですが、椅子やカーテン、座布団カラーなどに洋の要素を加えることでリラックスした雰囲気が出ています。(画像引用元)
−まる子先生は、現役の介護福祉士としてもお仕事をされています。ウェブサイトに書かれてある”着物で介護予防”とは、どういうことなのでしょうか?
まる子先生:6年前頃から介護福祉士の仕事を始め、今は単発派遣のいわゆるフリーの介護士として仕事をしています。単発派遣なので、仕事をこちらから選べるのが魅力です。介護の現場を見ていて感じるのが、介護予防の重要性です。一般的にいう「平均寿命」から、「健康寿命」を引いた期間(不健康な期間)を短縮することに介護予防の大切さがあります。
そして着物は、季節と場面に合った着物・帯を選ぶ事から始まり、小物の準備から着る順など、脳トレ要素が満載です。着付けの最中は背筋をしゃんと伸ばしたり、体全体を使いますし、着る動作も、特に僧帽筋や広背筋に強く働きかけ、紐、帯締め、帯揚げ、帯を結ぶ作業は指先をたくさん使います。さらに、着物を見たりするトキメキや、着物を着ることで非日常的な高揚感も得られて心や脳が活性化すると考えています。(詳細はこちらから)
−(MAD Cityの)こちらの物件はどのように知ったのですか?
まる子先生:着付け教室は今年の4月に松戸駅から徒歩15分の場所にある自宅で、まずスタートさせました。しかし、集客不可な物件でしたので、夏頃から着付け教室専用のお部屋を借りようと考え始めていました。そして、かねてから知っていたMAD Cityのウェブサイトを見ていて、偶然見つけたのがこちらの物件(MADマンション)でした。
DIYリノベーションで教室作り
MADマンションは改装可能・現状回復不要な賃貸物件です。まる子先生もDIYリノベーションに挑戦されています。例えば、ふすま紙の貼り替え貼り替えなどはかなり試行錯誤されたそうです(こちらの記事が詳しいです)。
ふすま紙は19世紀のイギリスのデザイナーであるウイリアム・モリスの柄を選びました。
着物で始めるもてなし美人
夏場とかに、道や電車などで品の良い感じの着物を着た人を見ると、なんとなく涼しげな気持ちになったりしませんか?これはつまり、歩いている人にもおもてなしをしているということなんだと、まる子先生はおっしゃいます。Respirarのコンセプトの一つは「着物で始めるもてなし美人」です。そして、もてなすというのは、なにも他人だけをもてなすわけではなく、自分自身ももてなすということだと、まる子先生は強調されています。着物を着ることで精神的に前向きになったり、奮い立たせてくれる効果があるということです。それはまる子先生自身が離婚や不妊治療などの辛い経験を乗り越えるために、着物が大きな力となったという実感からそうおっしゃっています。
私自身、離婚や不妊治療などの辛い時期を経験してきました。
そんな時に、自分を奮い立たせてくれたのが着物でした。
辛い時こそ、着物を着て背筋をしゃんと伸ばして闊歩すると気持ちも引き締まり、明るく前向きになります。
今後は「女の寺子屋」を開きたい
着付け教室は着物が着れるようになったら通わなくなるのが当たり前と思います。しかし、着物を着る機会というのは、なかなか待っていても巡ってこないのが現代です。そこで、まる子先生は着物が着れるようになった生徒さんたちが、着物を着て行ける場の提供する取り組みを考えていらっしゃるそうです。例えば着物で外出するようなイベントだったり「女の寺子屋」のといったテーマで勉強会やセミナーへの参加をしてみたり、いかに着物を着ていくシチュエーションを用意するかを思案されています。
今後、2020年東京オリンピックも控えていますし、訪日外国人も過去最高を記録したりするなど、日本の文化発信という意味でも着物の魅力を多くの人に知ってもらうことは社会的意義も大いにあります。
千葉県松戸市の着付け教室Respirar(ウェブサイト)
千葉県松戸市の着付け教室Respirar(ブログ)
改装可能・原状回復不要な物件を扱うMAD Cityにお問い合わせください
今回ご紹介した着付け教室のようにMAD Cityでは、賃貸なのに改装可能・現状回復不要といった個性的な物件を数多く取り扱っております。住居、事務所、アトリエなどなど、ライフスタイルやライフステージに応じた物件をお探しの方は、こちらから検索してみてください。また壁塗りワークショップといったDIYリノベーション事業にも取り組んでいます。合わせてチェックしてみてください。
著者プロフィール
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funahashi taku
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空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/
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