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未来の不動産屋はどうなるか?(2)原状回復の未来
不動産事業はまだまだ進化の余地がある
人口・世帯数の減少や空き家の増加、インターネットの発達やテクノロジーの進化などにより、不動産事業のあり方も大きく変化しつつあります。たとえば入居者による改装やDIYリノベーションが可能な不動産検索サイトや、物件単体ではなくエリア価値の向上に取り組む不動産屋、不動産取引とビジネスとITを掛け合わしたような不動産サービスなど、続々と新しい動きが出てきています。今まさに不動産事業も時代に合わせてアップデートしていく転換期にあるように思います。
賃貸物件と現状回復をめぐる問題
駅前の路面などに立地する、いわゆるまちの不動産屋さんの主力商品というと賃貸住宅の仲介です。白いビニール製の壁紙や合板の床材、居住スペースに対して割高な家賃など、最近では賃貸住宅にどこか残念な物足りなさを感じることが多いように思います。その残念さを象徴するのが退去の際の「現状回復」の存在。お部屋の改装はもとより、壁に釘を打つことすら退去時の費用に跳ね返ってしまうので、各々が感性やライフスタイルに合わせてお部屋を自由に改装することを阻んでいます。
海外のように、壁紙や床の張替えはもちろん、バスやキッチンの交換、家具の制作、間取りの変更まで、自分好みの空間をアレンジすることで、賃貸物件も個性や価値が生まれるのではないでしょうか。なお個々人の改装を認めてしまうと、万人受けしないお部屋になってしまうリスクがあります。これが現状回復の義務が必要とされた大きな理由ですが、築30年を超えるような賃貸住宅は、もはや築年数の時点で万人受けしようがない原状があります。特に築古の賃貸住宅では原状回復義務の撤廃や緩和が今後も進むに違いありません。
国土交通省が「借主負担DIY型」賃貸借契約を提示
国土交通省では個人住宅の賃貸流通の促進に向けた取り組みとして、「借主負担DIY型」賃貸借契約という新しい賃貸契約のスタイルを提示しています。具体的に言うと、「借主負担DIY型」賃貸借契約とは、部屋の貸主が修繕義務を負わない代わりに、借主が自己負担で自由に部屋の改装やDIYリノベーションをすることができ、なおかつ退去時には原状回復が必要ないというものです。この新しい賃貸契約スタイルが今後広がっていくことが期待されます。
MAD Cityは、入居者による改装やDIYリノベーションをサポートします
この点、MAD Cityが紹介している物件は原則的に原状回復の義務がないものばかり。MAD Cityがオーナーさんへの責任を入居者に代わって負うことで、全ての物件を原状回復不要にしています。といっても、自分好みの空間をつくるためには知識やスキルも求められます。ご自分だけでは難しい内容や規模であれば、MAD CityのDIYリノベチームにご相談いただけるようになっています。MAD Cityの住民から、建築家や大工、アーティストにデザイナーなど、様々な分野に明るいメンバーが集まっており、力になってくれると思います(さらに自動的に良きご近所さんにも出会えるというおまけつきです)。
たとえば、MAD City随一のDIYマンションである「いろどりマンション」ではDIY経験の豊富や入居者が同じ物件に暮らしているので、気軽に相談にのってもらったり、おすすめのお店を聞いてみたり、仲良くなったら一緒に作業するのも楽しいかもしれません。
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改装やDIYリノベーションで暮らしを豊かに
具体的にMAD Cityの改装事例をご紹介しますと、元々1LDKの間取りだったお部屋を和室2部屋の壁を解体して1部屋に広げ、畳から板張りへ変更しヨーロッパの田舎にある古い家のようなテイストに仕上げている方もいらっしゃいます。改修費用は総額10万円以下に抑えたというのですから、低コストで自分らしい空間づくりをされている好例です。
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MAD Cityでは未来の不動産屋について提案したサポートを実際に行っています
いかがでしたでしょうか?原状回復を無くしていくことは、未来の不動産屋が向かっていく方向性であることをご紹介しました。改装やDIYリノベーションで自分らしい空間づくりを実現してみたいと思った方は、ぜひMAD Cityの物件情報を検索してみてください。また、不動産や建築、まちづくりに取り組まれているなどMAD Cityの取組について興味関心がある方は、取材や視察でご説明させていただいています。ご希望される方または団体はこちらまで是非ご連絡ください。
(2016/02/05)
著者プロフィール
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funahashi taku
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空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/
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