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これが噂の巨大な建物。奥の赤いのがクレーン

【代表寺井のまちづくり的感想文 】熊谷のNEWLANDに行ってみた。

妻がかつて勤務していた関係もあって、熊谷に遊びに行ってきました。その一番の目的は、大型免許の教習所跡地を活用して生まれたという商業施設、NEWLAND。デザイン系の若手クリエイティブディレクター、山本和豊さん(dessense)によるもので、ウェブサイトを眺めて見るとワークショップがすごい量と質で行われています。
http://www.new-land.jp/
「毎日通える「文化」の場が、熊谷にオープンします。」というキャッチコピーもいい感じ。オープンしてから約1年で、どうなっているのかそろそろ見に行きたい…ということで足を運びました。

NEWLANDの入口。裏通りを歩いて行くと急に出現する感じ 

施設としての様子はこのへんをどうぞ→ http://goo.gl/J4hPr http://goo.gl/pNZN2

dessenseはもちろん、建築でトラフ建築設計事務所が関わっていたり、店舗のほうでもユトレヒトが関わっていたりと、都内でバリバリやっているお馴染み(?)のクリエイティブ層も参加していて「オサレ」感はしっかりしてるだろうなあと思って行ったんですが、裏切らない質の高さでした。店舗は工場内に建てているため、強度とかはいらないのでチープ&シンプルで遊び心のあるビジュアルでまとまってます。入居しているお店、商品ともに質がコントロールされている。商品量はともかく、代官山や恵比寿あたりに匹敵する雰囲気のお店が固まってるって感じです。(床は都内より広いので店舗内の雰囲気はよりリッチ!)

建物の中に建物がある…白いグラスファイバーみたいなのでできた木もあります 

NEWLANDのワークショップやイベントが一覧できる掲示板 

上手いと思ったのは、メリハリ。元々の状態をそのまま活用してるところと、お金をかけていじって魅せているところがコントロールされてる感じ。ネット上での評判を見てると、工場のでかいクレーンがそのままになってるのにビックリ…といった声があったんですが、NEWLANDの立ち上げ、お金を借りて土地から取得してると思うんです。こういう物件、上モノ(建物)は無価値、というよりマイナス。元の持ち主は、建物は解体してゴミも捨てて更地にしないと買い手がつかないと思っている。NEWLANDはそういう解体費用などを差っ引いてもらって、工場そのままの状態で取得して、その工場を上手く使っているんだと思うんです。クレーンなんて壊すのも捨てるのも費用が大きくて、残して上手く使うのが一番良い。

これが噂の巨大な建物。奥の赤いのがクレーン 

じゃあ感想は…と言えば、個人的にまだまだと思ったというのが正直な所。もちろん工場のなかに店舗が建ってること、ハイセンスなカルチャー系のショップがあることは、面白い。でも、本質がまだグッとこない。熊谷の外れに、リトル代官山を作った以上には見えなかったところがある。都心のものが熊谷の外れにある、というのは凄いのかもしれません。でも「熊谷ならではの凄さ」ではない。お客の多くも、「オサレな若者」が圧倒的に多くて、地域のドロっとしたものがない。要は、都内のファッションエリアのミニチュアが、地方にできた以上でも以下でもない感じがしてしまったんです。

もし、代官山なんかに行きそうもない地域のオジちゃんオバちゃんなんかもワラワラ居たり、熊谷まわりのクリエイターの作ったものでクオリティ高いものが直接取引的な見せ方と価格で商品になってたら、僕はガツンとやられただろうなと思うんですね。それこそが「毎日通える「文化」の場」ということだとも思う。実際、妻が知り合いの地元民に聞いたらNEWLANDは知られてなかったようだし、かと言ってごく近隣と土着な関係性を結んでる感じでもなかった。スタイリッシュかもしれないけれど、オープンさは感じづらかった。というか、スタイリッシュとオープンを両立させるためには、相当なクリエイティブの努力が必要なんですよね。

NEWLANDのショップ棟から見た風景。手前はドッグラン、左がワークショップ棟、真ん中がギャラリー棟。ちなみに右は別の敷地で学校の体育館 

じゃあこれからどうなんだってことですが、僕が眺めたNEWLANDのコンテンツで、一番ステキなのってこれだった→ http://goo.gl/ZJY8h 山本さんの紹介文に「NEWLANDにあるサーフショップ「CORNER」のクリエティブディレクター」と控えめにしか書いてないところも良い。思いとしては「「毎日通える「文化」の場が、熊谷にオープンします。」というのは本気だと思うんです。熊谷にしかない(人間づき合いみたいな)ドロっとしたもの、都会が持ちにくいオープンさ、やってる人が面白がってる、そういうものがこのワークショップにはある気がする。他にもたくさん揃ってるワークショップに、熊谷近辺の若い世代もだけど、地元の爺ちゃん婆ちゃんが来るようになったら、エリア自体が変わっていく気がする。

と、そんなことを書いてますが、MAD Cityも頑張らないと。いま、MAD Cityでも素敵な入居者が増えて、自然発生的にワークショップ系のイベントがたくさんあります。ただ、こちらも(マンション内イベントのため部外者を大っぴらに誘うのがNGとかで)告知ができないものも多い。地道に口コミが広がっていく価値観は良いと思ってるんですが、どうやったらオープンさを保てるかは悩み続けるところ。なおオープンになってるイベント情報はこちらにアップしていますので是非ご覧ください→ https://madcity.jp/event/

寺井元一
てらい・もとかず●まちづクリエイティブ代表。千葉・松戸での「MAD Cityプロジェクト」にてクリエイティブなまちづくりを提唱している。
個性派物件を提供してコミュニティをデザインする「MAD City不動産」、地元コミュニティを活性化する「松戸まちづくり会議」支援などの事業を運営中。https://madcity.jp/

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