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屋根も外壁も庇もトタンな「トタン270°」。駅前、線路沿いにあります。

トタン建築は懐古と前衛を内包するアートだ!築古物件探索記(1)

※このコラムはMAD Cityエリア内で見つけた個性的な建物をご紹介する連載です。

連載「築古物件探索記」

築古物件万歳

歩いていてワクワクするようなまちってどんなまちでしょうか?同じようなデザインの建売住宅やマンションが連なっているまちでワクワクするというのは少し無理があるように思います。むしろ新旧の建物が混在して、その土地の独自性や、歴史や文化を感じることができるまちに魅力を感じます。松戸はごく一般的な地方都市で、歴史的建造物で有名な街というわけではありませんが、それでも古い建物はひっそりと眠っています。そこで今回はMAD Cityエリアの個性豊かな築古物件たちをご紹介していきます。

こちらの建物も築50年弱とけっこう年季が入っています。右側にMAD City GALLERYが入居していますが、もともとは洋服屋さんでした。

こちらの建物も築50年弱とけっこう年季が入っています。右側にMAD City GALLERYが入居していますが、もともとは洋服屋さんでした。

トタン建築の懐かしさと目新しさ

築古物件を探していると、共通するポイントが見えてきます。今回のテーマはその一つで、「トタン建築」です。トタンは亜鉛めっき鋼板のうち、主に建築資材として使われているものです。建物の屋根や外壁、塀に用いられたり雨どいなどに使われています。なんてことのないようなトタンですが、トタン建築の魅力にハマって写真展を開いた方もいるほど、実は奥が深い趣があります。補修などで無造作にトタンが継ぎ接ぎされている感じや、赤錆が自然と広がっている様子など、懐かしさと目新しさの両面を持ち合わせている現代アートっぽい魅力があります。

「年配の人たちは懐かしむ。一方で、若い世代のなかには色遣いがかっこいいと受け止める人がいる。風雪にさらされて時間とともに自然と変化したトタンには、懐古と前衛、そんな魅力があるのかもしれません」

トタン屋根は美しい? 「トタニズム」の世界を探訪

トタン建築は、たとえ腐食していても、色使いや色の組み合わせなど、現代アートっぽい?!

トタン建築は、たとえ腐食していても、色使いや色の組み合わせなど、現代アートっぽい?!(画像引用元)

それではMAD Cityエリア内で見つけたトタン建築をいくつかご紹介します。(なお登場する名称はMAD Cityスタッフが勝手に付けた愛称です)

崖の上のうらら

こちらの木造平屋建ての建物。よく見ると、瓦屋根から庇としてなのか、トタンがはみ出しています。小高い山の上に佇む昭和風の平屋。辺りにはお花が咲いていたりでうららかな感じが出ています。赤とベージュのツートンカラーのトタン使いがトタン上級者を思わせます。

ツートンのトタン外壁がアクセントになっている「崖の上のうらら」。

ツートンのトタン外壁がアクセントになっている「崖の上のうらら」。

ホワイトガレージ&ハウス

川沿いに面しているので、2階からの眺めが格別だと思われる、こちら長大な奥行きのある物件。2階に飛び出した看板建築からすると、店舗や事務所などとして営業していたことが伺われます。その裏は住居でしょうか…。また、1階の窓が埋もれてしまっているように見えます。地下室風の部屋が広がっているのか、想像が膨らみます。何より、ガレージと店舗?倉庫?または住宅?が連なった一体感を醸し出しているのがトタンの外壁です。レア扱いの白いトタンというところもトタン愛好家にポイント高そうです。

白いトタンの外壁がどことなくオシャレに見える「ガレージ&ハウス」。

白いトタンの外壁がどことなくオシャレに見える「ホワイトガレージ&ハウス」。

トタン270°

薄茶色の外壁が柔らかい印象を与えているこちらの建物は元花屋さんだったとか。屋根も外壁も、ついでに庇もトタン。2階の窓枠を支える素材にもトタンを使っていたり、細かいトタン使いもポイントです。日が当たっているところとそうでないところとでトタンの色合いに違いがあって、淡いなかにもグラデーションが感じられます。色合いから経年変化を実感できるのは、ぐるっと270°に渡る全力のトタン使いならでは。そんな経年劣化はオーナーの狙ったところではない気がしますが、いずれにせよトタン好きにはたまらない一軒です。

屋根も外壁も庇もトタンな「トタン270°」。駅前、線路沿いにあります。

屋根も外壁も庇もトタンな「トタン270°」。駅前、線路沿いにあります。

ちょっと変わった物件を探している方は、MAD Cityまでお問い合わせください

トタンに広がる錆は、人間の手でコントロールできないゆえの「味」があります。錆の模様やグラデーションは天然のアート作品とも言えます。MAD Cityではちょっと変わった物件を取り扱っています。今回ご紹介したような、元々は一見古くて見向きもされないような建物だった物件も数多くあります。ぜひ物件検索してみてください。また、MAD Cityでは入居者の移転後の暮らしをより豊かで魅力あるものにするために様々なサポートをご提供しています。あわせてチェックしてみてください。

物件を探す
9つの暮らしサポート

また、今回ご紹介したような建物のような個性的なデザインや古さが逆に魅力となっている物件をご存知の方はぜひ情報提供いただけたらと思います。物件相談から探索まで、できる限り対応させていただきます。

個性的な物件の情報提供、物件相談・探索はこちらまで

※なお、今回ご紹介した建物はMAD Cityエリア内に実在の建物ですが、入居者を募集している不動産物件ではありません

連載「築古物件探索記」

著者プロフィール

funahashi taku

funahashi taku

空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/

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