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MADマンションの入居者は12組。デザイナー、フードコーディネーター、バリスタ、現代アーティスト、ダンサーなど、多様な住民が暮らしています(2014年10月現在)。

コミュニティを耕してアソシエーションを誘発する

コミュニティイベントの開催

MAD Cityでご案内している物件のうち、旧・原田米店MADマンションいろどりマンションなどには6〜12組といった大人数の住民が入居しています。賃貸なのに改装可能・原状回復不要という変わった物件に入居されるくらいですから、ダンサーやグラフィックデザイナー、美術作家、大工、DIYアドバイザーなどなど、クリエイティブな職業や生業をお持ちの方々が多いのが特徴です。

こういった入居者が集積している物件では、定期的にコミュニティイベントを企画・開催しています。例えばこの日、MADマンションで行われたのは「クリーンデイ」という入居者による入居者のためのコミュニティイベント。MADマンションの入居者同士の交流やDIYの作業場、余った木材や共有可能な機材の置き場などとして使われている共有ルームゴミ置き場の散乱したゴミを皆で片付けよう、という趣旨です。

入居者同士で共有スペースの片付け

入居者同士で共有スペースの片付け

手分けしてゴミ置き場を片付けました。

手分けしてゴミ置き場を片付けました。

ほうきやちりとり、軍手など掃除に必要な物品は適宜、MAD Cityが準備します。必要に応じてコミュニティイベントのサポートを行っています。

コミュニティを耕す

コミュニティイベントは本来、入居者全員が参加する性格のものです。それは、生活する中で共通する課題(共有ルームやゴミ置き場の片付け、掃除など)の解決のためには、そこに暮らす入居者同士が協力し合う必要があるからです。これは当然のことといえば当然のことですね。その結果、入居者同士のつながりが生まれていきます。例えばMADマンションのゴミ置き場は多才な入居者が皆で協力して改修したものです。入居者同士で協力しながら作業をしたことで一層コミュニケーションが深まり、入居者主体で次のアクションへとつながっていきます。

住民同士で協力しながら作業をしていったことでより一層コミュニケーションが深まりました。作業後の打ち上げでは「そういえばあそこのサビが気になる…」や「空いている203号室をみんなの図書館にしたい」などなど企画が大盛り上がり。
それをきっかけに、第2回目の活動では共有スペースのサビとりや清掃をし、なんと塗装まで行ったそう!こうやって自分たちの手で改装していくと愛着もわきます。
空室だらけの古~いマンションが、レトロなコミュニティマンションとして再生!そのヒミツは入居者同士で行うDIYプロジェクト[MAD “Life” Gallery]

入居者同士がつながることで化学反応が生まれる

この日お邪魔したグラフィックデザイナーの佐藤大輔さんは3年前にMADマンションに引っ越してきました。もともと1DKだった部屋の壁と押入れを打ち抜いて巨大なワンルームにしたり、床貼りや壁塗り、キッチン・玄関エリアに人工芝を敷いたりと、かなり自由なDIYリノベを手掛けていらっしゃいます。

床貼り、壁塗り後のワンルーム部分と人工芝を貼ったキッチン・玄関部分。

床貼り、壁塗り後のワンルーム部分と人工芝を貼ったキッチン・玄関部分。(画像引用元)

そんな佐藤さんがMADマンションに住む(実際は事務所として活用されています)メリットの一つにコミュニティイベントで刺激を受けられることを挙げられています。

ステキすぎるDIY事務所を手にいれた佐藤さんですが、しかしそれ以外にもMADマンションに住むメリットを感じているそうです。
「このMADマンションの住人になるまで、松戸在住のほかのクリエイターの方に会う機会はほとんどなかったんです。僕は松戸に長らく住んできたけれども、MAD Cityができて、こんなにたくさんのアーティストやクリエイターの人がいるなんて思いませんでした。自分の思い通りの事務所が手に入れられたのももちろんですが、ほかの住民の方々と一緒にイベントをやったり、ときどき食事会をしたりして情報交換したり、いろいろと刺激を受けられるのが魅力的ですね」
MAD City vol.9:住居用の間取りを取り払い、人工芝と白壁がさわやかなデザイン事務所に!

入居者主催のイベントを開催、新しいインスピレーションが生まれる

佐藤さんはMADマンションのコミュニティイベントで刺激を受けたこともあるのか、「アナザー・ピース展 ~地元の小さなグラフィックの仕事。」や「デザインのタネあかし~デザインは人生を少し楽しくしてくれる~ 」 といったイベントをこれまでに開催なさってます。「デザインのタネあかし~デザインは人生を少し楽しくしてくれる~ 」では定員を超える申込があるなど多くの人を巻き込んだイベントになりました。

「デザインのタネあかし~デザインは人生を少し楽しくしてくれる~ 」 レポート

「デザインのタネあかし~デザインは人生を少し楽しくしてくれる~ 」 レポート(画像引用元)

そして、イベント当日は来れなかったのですがインターネットで「デザインのタネあかし~デザインは人生を少し楽しくしてくれる~ 」を見て佐藤さんに是非会って話を聞いてみたいという方まで現れました。ちょうどこの日、その方が佐藤さんに会いにきていらっしゃっていました。佐藤さんと実際に会ってお話をすることで、デザインの仕事を本格的にやってみようという思いが高まっていたようでした。また次のアクションや新しいコトが起こりそうな期待が高まります。

佐藤さん事務所の様子

佐藤さんの事務所でお話している様子。押し入れを取り払って出てきた、打ちっ放しのコンクリートの壁もいい感じです。

また、MADマンションでは専有部分だけでなく、共有部分についても現状回復なしの条件が実現していて、ドアを各自がペイントしていたりします。そこで最近は、佐藤さんはMADマンションのドアをデザインする、という企画を実行に移そうとされています。佐藤さんの部屋のドアで使っているフォントを使って、他の部屋の住民と一緒にドアを塗り替えるとのこと。マンション内のドアがデザインされていると、住んでいても単純に楽しかったり美しいし、外の人にとっても行ってみたくなるマンションになりそうで楽しみです。

佐藤さんの事務所のドア(共有部)。ここを通った人は「おっ」と思いますね。

佐藤さんの事務所のドア(共有部)。ここを通った人は誰でも「おっ」となるのでは。芝生のなかにはインターホンのボタンが隠れています。

コミュニティを耕してアソシエーションを誘発する

このようにコミュニティを耕した結果、入居者主体のイベント開催や新しい出会いが生まれています。MADマンションの入居者間だけで閉じることなく、街に開いたイベント開催や新しい出会いが誘発されているのがMAD Cityならではと言えるでしょう。なぜならばMAD Cityでは「アソシエーションデザイン」という概念を理念としてまちづくりに取り組んでいるからです。
具体的に言うと、これからのまちづくりにおいて大切になるのは、アイデアを生み出し実践する、自発的で創造的な人々がそのエリアに集い、暮らしを共有してアクションを起こすことであると考えて研究しています。

アソシエーションデザイン つづく世界のつくり方(DOTPLACE)

アソシエーションデザイン つづく世界のつくり方(DOTPLACE)(画像引用元)

つまり、人が共に暮らす領域や集団における必然的なつながりがコミュニティならば、こうした入居者主体のイベントや新しい出会いといったある共通目的を達成するために自発的に組織されたつながりがアソシエーションです。「自発性」や「創造性」といったものを人為的につくることはそもそも本末転倒ですが、クリエイティブなバックグラウンドを持つ入居者を集めコミュニティイベントなどでコミュニケーションの機会をつくり、結果としてアソシエーションが誘発されることが重要だと考えています。

アソシエーションデザインに関する詳細はウェブマガジン「dotplace」での弊社役員による連載やgreenz.jpの記事マチノコトの記事などをご覧ください。また、MAD Cityのアソシエーションデザインについては、取材や視察でご説明させていただいています。ご希望される方または団体はこちらまで是非ご連絡ください。
取材・講演依頼などのご相談はこちら

著者プロフィール

funahashi taku

funahashi taku

空き家を魅力的な「まちのコンテンツ」に生まれ変わらせたり、社会的課題解決のツールとして活用したい、そんな観点から書いているブログ「空き家グッド」を運営しています。2015年6月からはMAD Cityのウェブメディア「madcity.jp」に記事をちょくちょく寄稿しています。
http://akiya123.hatenablog.com/

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